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暗くもなく明るくもなく。寒くもなく暖かくもなく。およそ現実の言葉で規 定されない謎めいた空間に、短ランで金髪の男――千葉が世界に誇る不良、三 橋貴志である――は、プカプカと浮いていた。あたりは一面、怪しげな靄に包 まれている。そのまま三橋はどこぞの宗教家よろしく空中で胡座をかくと、フ ワフワとそこら中を飛び回り始めた。 もちろん、三橋はいたって普通の――と言うと若干語弊があるかもしれない けれども――不良高校生であり、間違っても空中浮揚などという技は身につけ ていない。では、なぜ彼は空中をさまよっているのか? その問の答はごく簡 単だ。そう、三橋貴志は夢を見ているのである。 本人は自分が夢の中にいるなどとは気づいていないし、まだ目覚める様子も ない。ただ徒にまどろみに身を任せているだけなのだから、まったく暢気なも のだ。何せ寝入ったが最後、なかなか目の覚めない質の三橋だから、夢の世界 にたゆたっている時間は人より長い。すでにこの島に来てから5時間ほどは経 っているというのに、いまだにこの調子である。 とはいえ、金髪の悪魔と呼ばれる三橋も人の子。睡眠中、浅い眠りと深い眠 りが交互にやってくるのは一般人と同じである。そして、人は通常、浅い眠り ……つまりはレム睡眠のときに夢を見る。 三橋は今、この島に来て何度目かの夢の世界に没入中である。要するに今、 三橋の眠りは浅くなっているのだ。今度こそ、ひょっとしたら途中で目が覚め る……かもしれない。運が良ければ、だが。 ……おや、そんな彼の夢の中に、ちょっとしたゲストが姿を現した。いつも のにぎやかな連中だ……三橋も彼らの存在に気づいたらしい。 (んん……何じゃ? 今井と谷川がいる……) 『……谷川ぁ!』 『……今井サン!』 『谷川……! 俺はやった! やったぞ!』 『やりましたね! 当選おめでとうございます!』 『ああ……ついに当ててやったぜ、にしひょー島の旅……!』 『ハハッ、やだなあ今井サン、にしひょー島じゃなくてイリオモテ島でしょ!』 『……エッ? そ、そうなの……?』 『あ、あー、イヤ、でも今井サン、さすがですよ! ヨンデー買いまくった甲 斐がありましたね!』 『おうよ……応募券101枚貼りつけたからな!』 『“イマイ”にかけて101枚ですもんね!』 『やっぱりな、ゲンは担げるだけ担いどくもんだよな……よし、三橋のヤツに 自慢してやろうぜ!』 (今井と谷川のヤロー、オレ様のキョカも得ずにイリオモテ島だと? 馬が島 行ってどーする! 人間のオレ様にゆずるべきじゃ!) 相変わらず、もはや気持ちいいほどに傍若無人な三橋は、自分の夢の中に勝 手に登場させた今井と谷川に、しごく理不尽な理由で腹を立てている。そもそ も週刊漫画誌の懸賞で西表島の旅が当たるところからして意味不明なのだが、 そこは夢。まさにご都合主義というやつだ。今井と谷川のキャラクターも三橋 のイメージからきているので、若干バカ度が上乗せされている……ような気が しないでもないが、元々爽快なまでにバカなので微妙なところである。 『でも、イリオモテ島って何が名物なんだろうな?』 『えーっと、やっぱり有名なのはイリオモテヤマネコじゃないかと思いますよ』 『ネコ?』 『天然記念物のヤマネコです。なかなか出会えないらしいんですけど、あの応 募総数の中からイリオモテ島の旅を当てた今井サンなら会えるんじゃないです かね~?』 『フッ、まあな、今の俺なら、ネコだろうがイヌだろうが何でも会えるに決ま ってるぜ!』 『そうですね! 今井サンならきっといけますよ!』 (……ぬぬぬ、今井のブンザイで調子に乗りやがって! ネコだかイヌだか知 らんが、オレ様のほうが先に会ってやる! アイツらが楽しそうなのは何か 気にくわん! イトー! オレらもイリオモテに行くのだ!) 夢の中でも素敵に無敵な三橋は、自分の相棒である伊藤真司を探して後ろを 振り向いた。が、今のところ伊藤は三橋の夢に顔を出すつもりがないようだ。 あたりを見回すがやはり見つからず、三橋は苛立った。 (イトー! イトー! 何で出てこないんじゃ! イトー! イトー、……イ トー?) 彼は声を上げながら、平泳ぎで空間を移動してそこかしこを探しまわったが、 伊藤の現れる気配はみじんもない。逆に少しばかり不安になってきたところで、 空を飛び回っていた三橋の身体がぐらりと揺れた。バランスが保てなくなり、 そのまま地面に真っ逆さまに落ちる……と思ったところで、三橋はついに覚醒 への階段をのぼりはじめる。 (なっ、うぉ! お、落ち) 「……るぁあああ!」 ……現実にそんな叫び声をあげた直後、ドスン、と鈍い音がして、三橋貴志 は土の上で目を覚ますことになったのであった。 「わ~、すごいな~、ほんまに落ちよった~」 「いやー、見事に落ちたなー!」 仮にも人が地面に落下したというのに、実に悠長な会話をしているこの二人。 ご存知、三橋の――とはいえ彼女たちはまだ彼の名前を知らない――目覚めを この無学寺で待っていた、春日歩と滝野智である。 夢の中で宙を泳いでいた三橋は、器用にも寝ながら平泳ぎで無学寺の床を移 動し、開いたままだった戸口を滑りぬけ、上がり框まで出た。その後、さらに 進もうとして、そのまま土間に落っこちたのだが……そんな彼を止める気など さらさらなかった滝野と春日は、『これはもしかして土間に落ちるかも、そし たらさすがに起きるかも』という期待のもとに三橋の華麗な泳ぎを見つめてい たのだった。そして二人の期待通り、三橋は鮮やかな落下を見せ、やっと目を 覚ました、というわけだ。 そんな二人の思惑など知る由もない……というより、落下した衝撃と寝起き の頭の回転の悪さから、二人がいることにすらまだ気づいていない三橋は、身 体をおこしてきょろきょろとあたりを見回すと、夢の続きのままに言葉をこぼ した。 「ぬ……? イトーは……? イリオモテは……?」 三橋のセリフから、聞き覚えのある単語を拾った春日は、いつも通りの口調 で滝野に話しかける。 「なあ、ともちゃん~」 その聞き慣れない声を三橋の耳がとらえ、声のするほうにふりむいて、やっ と二人の存在に気づいたとき、滝野と春日は非常にどうでもいい会話をくりひ ろげていた。 「あの人“西表”読めとるよ、アホの子やないかもしれへんね~」 「いや、読めてるかはわかんねーぞ大阪、カタカナで言ってるだけかもしんね ーし」 「あ、そか、カタカナって可能性もあるんか~」 この緊張感のなさはある意味で奇跡といってもよかったが、もちろんこのバ トルロワイアルという状況下において、それはまったく好ましいことではない。 恐ろしいことに、この場にいる誰もそんなことは気にしていない――どころか、 一人はこの状況すら把握していない――のだが。 まだ土間に座りっぱなしの三橋の頭の中では、(……ここはどこだ? こり ゃどーなってンだ? こいつら誰だ?)とまあ、矢継ぎ早に「?」が点滅して いた。鷹揚で細かいことは気にしない、ある意味では器の大きい彼だが、さす がにこれは気にしたほうがいい、と判断する。結果、三橋がしたのは、目の前 の女二人に話しかけることだった。 「……オイ、オメーら」 かけられた声でとりとめのない会話を中断した二人は、一瞬三橋のほうを向 いたあと、顔を見合わせる。それから、少し声を落として、ひそひそと喋り始 めた。 「と、ともちゃん、この人、話しかけてきとるよ~」 「お、おう、やっぱ落ちたら起きるよな……っていうか大阪、聞くことあるん だろ?」 「あ、そやった、忘れるとこやった……どないしよ、ともちゃん、うち、あの 人の名前わからへん~」 「や、だからそれも聞けよ!」 目的の人物が目覚めたのはいいが、いざとなってみると、ちょっと気後れす る春日と滝野だった。普段なら滝野はとっくにズバズバ質問に入っていたとこ ろだろうが、さすがに状況が状況なうえ、死体を見たことで動揺している部分 があるせいか、彼女も少し大人しいようだ……あくまで相対的に見て、だが。 三橋は、目の前で続けられるそんなひそひそ話に少し苛立っているものの、 相手が女なので、眉間に軽く皺を寄せながらも一応耐えていた。基本的に短気 な彼にしては上等だ。理子あたりがいたら『エラいワ、三ちゃん!』とでも褒 めそうな忍耐である。しかし、それももうあと数秒で限界というところまで来 たそのとき、ついに滝野が意を決し、三橋に声をかけた。 「こうなったらしょーがねえ……なあ、アンタ、名前は?」 それはまあ、わりと真っ当な質問だったので、気をとり直した彼はいつも通 りのノリで自己紹介をする。 「うむ、オレ様は三橋サマじゃ!」 「……大阪、すごいぞコイツ、『オレ』にも名前にも『サマ』つきで来たぞ!」 「ほんまや~、『サマ』つきやね~」 三橋のノリにひるみもしなければ直接のツッコミも入れない二人は、仲良く 『サマ』に軽い食いつきを見せた。それから、お調子者度では三橋にひけをと らない滝野が、親指をぐっと立て、ウインクしながら言い放つ。 「ワタシ様は滝野智サマだ! そんでこっちは大阪! よろしく!」 「ともちゃん~、『ワタシ様』は何か変やと思う~」 そこは『大阪』と紹介されたことにツッコむべきであるような気もするが、 もはやこのあだ名に違和感を感じていないらしい春日は、名前を訂正する気も ないようだ。おかげで、三橋の中で春日の名前は本当に『大阪』になってしま ったのだが、とりあえず全員が名乗り終わった。その時点で三橋は滝野=バカ・ 春日=ボケだと思い、滝野は三橋=バカだと思い、春日は三橋=アホの子・ 滝 野=やっぱりアホの子や~、と思っていた。まあ、全員似たようなものだ。 こんな調子で自己紹介を終えた三人のうち、最初に口を開いたのは大阪こと 春日歩であった。 「えっと、ミツハシサマくん、やっけ?」 「や、サマとくん並べたら変じゃね?」 「あ~、そやねともちゃん、ほんなら、ミツハシくん?」 「おう」 この短時間で慣れたのか、二人のかもし出すとぼけた空気をものともせず、 三橋は適当に返事をする。すると、春日は何とも要領を得ない質問を三橋に投 げかけた。 「あんな、ミツハシくんな、めっちゃ寝てたやん? なんであんな寝てたん?」 「そりゃオメー、眠かったからだろーがよ」 ……まあ、この返事はいたしかたあるまい。言葉の足りなかった春日は、も う一度口を開く。 「……や、そうやなくてな? 今あれやん? プログラムやることになっても ーて、バト、……バトルロ……、バ、トルロイヤルな感じになってるわけやん? なのにミツハシくん、めっちゃスヤスヤ寝とったやん? やから、何か知っと るんかなーとか思たんやけど」 やっとのことで聞くべきことを聞いた春日だが、相手は眠りっぱなしだった せいで基本情報が抜け落ちている三橋である。当然、彼女の質問の意味など理 解できていない。おかげで彼は質問に質問で返すことになった。 「なあ、よくわかんねーんだけどよ、プログラムがどうのって何のことだ?」 この言葉を聞いたときの滝野と春日の顔といったら、とても人様に見せられ るものではなかった。ビックリも極まれり、である。あまりのことに二人とも しばらく放心していたのだが、何とか先に正気をとり戻した滝野が口を開き、 それに続いて春日も言葉を発した。 「だ、だからプログラムだよ! いま私らプログラムやらされてんだろ! 朝 の話聞いてなかったのかよ、ほら、あのエセ金八みてーな……」 「な、なあ、ミツハシくん、今日の朝、坂持いう人が話してたやん? 聞いと ったやろ?」 「……? 朝の話? 坂持? ナンのことじゃ?」 このセリフに二度目の人に見せられないビックリ顔を晒した滝野と春日だっ たが、彼女たちは気丈にも、目の前のゆかり車以上に衝撃的な人物との会話を 続けた。 「……え、えーっとな? ミツハシはさ、どこの学校なわけ?」 「ガッコー? 軟葉だけどよ」 「ナンヨウ……大阪、名簿出して、名簿!」 「うん、ちょお待ってな」 滝野に言われて、春日はデイパックから名簿を出す。文字列を指で辿ってい くと、『軟葉高校』の項には確かに『三橋貴志』の名前があった。 「あった、ともちゃん、ミツハシくん、軟葉高校の三橋貴志くんいうんや…… ほかの子は、伊藤真司くん、高崎秀一くん、田中良くん、あと女の子が一人お って、赤坂理子ちゃん」 「よし、ナンヨウ高校のミツハシな! 今言ったのがお前の仲間だかんな! 覚えとけよ!」 「……? ガッコーが何のカンケーあんだよ? その紙何だ? イトーとかリ コとか……」 滝野はその声に勢いよくふりむくと、ビッ、と人差し指で三橋の額のあたり を思いっきり指差しながら、高らかに宣言してみせる。 「いいか、ミツハシ、これから説明するからな! よく聞けよ! ビックリす んなよ! いや、ビックリしろ!」 「……お、おお、どっちだ?」 あの三橋を若干ひるませた女として、ちょっぴり歴史に残るかもしれない滝 野は、無駄に大きなモーションで話を始める。はっきり言って、三橋は彼女た ちの予想以上に『アホの子』であったので、これはちゃんと状況をわからせて やらないといけない、という使命感が二人に芽生えたのだ。これで彼女らが三 橋の目覚めを待っていた意味はまったくなくなったとはいえ、まさか、いつ銃 弾やら何やらが襲ってくるかもわからない状況で、何も知らないままの『アホ の子』をこの場に放置するほど、二人は冷たくなれなかった……たとえそれが、 余計な危険を招くかもしれない行為だったとしても。 というわけで三橋貴志はとりあえず土間から堂内へと上がり、滝野&春日の ボンクラーズから現状把握のための講義を受けることと相成ったのである。 講義の始まりから十数分。この島の中にいる他のメンバーよりも、ざっと5 時間半ほど遅れてではあったが、三橋はついに大方の状況を理解した。滝野と 春日の努力の賜物である。 「……ほー、つまり、学校対抗の殺しあいみてーなもんなんだな?」 「まあ……、そういうことだな、あんま『コロシアイ』とか言いたくねーけど」 「うん……」 「……で、水とか食い物とか、あと武器みてーのがカバンの中に入ってるって 言ったよな?」 「おう」 「あ、ミツハシくんのカバンな、そっちにおいてるよ~」 「あー、コレか」 一通りの説明を受けた三橋は、自分の持ち物を確かめるためにデイパックに 手を伸ばした。ジッパーを開けると、水や食料、名簿といった基本の品の他に、 デイパックから出てきたのは3つ。そのうちの1つ、扇子を開いていた三橋の 手元を覗き込んだ滝野が、声をあげた。 「何だコレ……シュノーケルに水中ゴーグルに扇子かよ、ミツハシのも武器ら しい武器じゃねーな!」 言いながら、内心滝野はホッとしていた。彼女は基本的に、『アホの子』三 橋が攻撃などしてくるはずはない、と思っている。だが一方で、明らかに自分 たちより力のありそうな彼が、凶器を持っていたら怖かっただろうな、とも思 う。それはこの状況下において、ごく当然の反応だと言えた。一片の恐れもな く目の前の初対面の男を信じるなど、そうそうできることではない。 ……とはいうものの、こんな武器しか支給されていないなら、さすがに三橋 が襲いかかってくる可能性はゼロだろう、と滝野は思った。いくら自分たちが 女であるとはいえ、何か武器を持っているかもしれない二人を前に、素手でぶ つかってくることはあるまい、と考えたのである。それに、もしものことがあ ったとしても、春日の銃で脅せばいい……と、そう思ったところで滝野は、知 らぬ間に物騒なことを考えていた自分自身が嫌になり、(いやいや……こいつ バカだし、襲ってくるなんて、ないない!)と思考を中断した。そんな滝野の 思いなど知らず、春日はのんびりした口調で、滝野を少し憂鬱な気分にさせる 言葉を吐く。 「ミツハシくんもはずれやね~」 “はずれ”。そう、“あたり”の武器を持っているのは今、春日だけだ。滝野は思 う。実のところ、春日の“あたり”やら“はずれ”やらの言葉の裏には何もないし、 大した意味もこもってはいなかったのだが。 ……そして次に口を開いたのは、滝野の思惑も、春日の無心も知らない三橋。 「……みてーだな、しょーがねーか」 そうこぼしたものの、三橋の胸中は別だった。(シュノーケルに水中ゴーグ ル、こいつらはまあ、武器としちゃ“はずれ”だ、けどこの扇子は使えっかもしん ねー)、というのが彼の内心であった。三橋に支給されたこの扇子、実は600g もの重さのある代物だ。それは、普段こうしたものにふれることのない彼です ら、明らかに普通のものより重いと判じるに足る、異様な重さである。 それもそのはず、三橋に支給されたこの扇子は、いわゆる鉄扇であった。開 いた扇面は普通の紙製だが、骨は鉄でできている。これで打擲すればそれなり のダメージを与えられるくせに、周りからはとても武器には見えないという、 れっきとした暗器なのだ。 もちろん鉄扇というものについてはまるで知らない三橋だが、内心、(こり ゃ、けっこーいい武器になりそうじゃねーか)と思いはした。そこにいる二人 には悟られないように、ひっそりと。 ……そう、本来の三橋は、危機的状況において『アホの子』ではないのだ。 むしろ、そういう場面でこそもっとも頭が回転するタイプだと言っていい。彼 は、あえて扇子の重さを口にしなかった。“使える武器を持っている”と思われ ることは得策でない、と考えたからだ。これは決して的はずれな考えではない。 現に滝野は、三橋の武器が無力であると思いこみ、僅かばかり持っていた警戒 を緩めてしまったのだから……それが、どんな結果を招くか、知りもせずに。 すでに駆け引きを始めていた三橋は、さりげなく鉄扇だけをポケットに入れ、 あとをバッグに戻すと、ごく普通に気になったから聞いた、という態度で二人 にたずねる。 「そういや、オメーらの武器は何だったんだよ?」 先ほど、春日――三橋の中ではいまだに“大阪”のままだったが――は『ミツ ハシくん“も”』と言った。抜け目なくそれを頭に入れていた彼は、少なくとも 彼女たちのうちどちらかには、武器にならないものが支給されたと考えていい、 と読んでいた。同時に、片方が何か武器らしい武器を持っている可能性も忘れ てはいない。もしそうであった場合、ちょっと厄介だ、と三橋は考えた。いく ら女二人――しかも、わざわざ自分にプログラムの内容を説明してくれるよう なお人好し――とはいえ、銃だの何だのを持っていたら、“失敗したとき”にこ ちらが怪我をする可能性だってある……と。そんな三橋の脳味噌の高速回転ぶ りなどつゆ知らず、滝野は素直に彼の問いかけに答えてしまう。 「あー、私のはこれだ」 滝野が割り箸一膳とフライパンをとり出す。それを見て三橋は少し笑った。 フライパンはまだしも、割り箸は役に立つまい……反撃の、役には。 「プッ、そりゃヒデーな……オメーは?」 「えっと、うちのはこれや~」 その言葉とともにとり出されたのは、十徳ナイフとFN M1906。気の抜ける 口調とは裏腹に、殺傷力の高さではこの場でもっとも上と思われる武器が姿を 現す。 ……瞬間、三橋の瞳はギラリと光った。 その光に彼女たちのどちらかが気づいていれば、結果は違ったかもしれない。 だが、現実は非情だった。三橋と二人とでは、くぐり抜けてきた修羅場の数が 違いすぎる。何せ三橋はこう見えて、千葉随一の不良なのだ。それに彼女たち は、お調子者で身勝手なこの男が、いざという時には守るべきもののために血 を流すだけの激情を持っていることを、まるで知らなかった。 「すげー、銃じゃねーか! オレ触ったことねーんだ、触らしてくれよ!」 すぐさま表情を作りかえた三橋は、目をキラキラ光らせて春日にそう言う。 その目を見た春日に、(ああ、いつものともちゃんやったらこんな感じやった やろな~……)という、軽い感傷が訪れた。三橋の顔はまるで、子供そのもの だったから、滝野も、(なんだ、やっぱりこいつバカだなあ、ガキみたいだ) と思って、少し笑う。 ……だから、春日は、三橋に自分の銃を渡すことをためらわなかった。 ……だから、滝野は、春日が三橋に銃を渡すことを止めはしなかった。 “金髪の悪魔”こと三橋貴志、一流の演技。喧嘩も強いが卑怯でずる賢い、こ の男のその見事な手管に、春日も滝野もあっけなく絡めとられたのだ。笑顔で 春日の手から銃をとった三橋の目が、またも暗く光る。瞬間、滝野はその危う い色に気づいたが、すでに遅かった。 男の手には少し小さなグリップが、しっかりと握り込まれる。その衝撃で、 グリップセイフティがはずれた。三橋が、トリガーを引く指に力をこめる。 銃を使うつもりのなかった春日は、FN M1906の説明書にあったセイフティ の項まできちんと読んでいなかった。銃という武器に対する恐れもあったのか もしれない。そのせいで、もうひとつの安全装置……サムセイフティのかかっ ていない状態でこの銃が自分に支給されていたことに、彼女はまったく気づい ていなかった。三橋とてセイフティのことまでは頭になかったのだから、もし サムセイフティがかかっていれば……こればかりはもはや、運が悪かったとし か言いようがない。 ……そして、.25口径が、火を噴いた。 ズガァン、という無粋な音が、静かな無学寺の敷地内に響きわたる。 滝野は数秒間、呆然と三橋の手元を見ていた。銃口から細い煙が上がる。彼 女は何が起こったのか、すぐには理解できなかった。向けられた銃口から腕、 首を通って、三橋の顔に滝野の視線がやっと届く。彼の目は、前方……滝野の 座っている場所のすぐ左、やや下方を見ていた。つまり、春日歩が座っていた はずの、その場所を。 滝野の視線が、三橋の視線を辿る。まるで油の切れたブリキ人形のように、 ぎこちない動きで彼女の首はゆっくりと左にまわされる。ついさっきまですぐ 横には、春日の横顔があったはずだった。けれどもそこには何もなく……視線 をゆっくりと下げれば、冷たい堂内の板張りの床の上、左胸の心臓より少し上 あたりから大量の血を流してうずくまる、春日の姿があった。 「……お、おーさかぁあああああああああ!!!!!!!」 滝野が春日のあだ名を呼ぶ声は、次第に悲鳴へと変わっていった。倒れ伏し た春日の身体には力がない。喉からは、ひゅうひゅうと細い呼吸音が漏れてい たが、頭に血ののぼった滝野には聞こえていなかった。 ……滝野智の精神のたがは、そのとき、派手な音を立てて外れた。 留め金を失ってバラバラになった彼女の心を占めたのは、純粋な怒りだった。 恐怖でも、悲しみでもなく、ただ、ひたすらな怒りだった。ただただ彼女は、 許せない、と思った。この目の前の金髪の男に対して、湧き上がったのは言葉 にできないほどの憎悪だった。 「お、まえ、おまえ、何てこと、何てことをーーーーーーーーー!!!!」 滝野は、怒りに我を忘れ、傍にあったフライパンを手に襲いかかる。だが、 身体をわずかに横にずらしてかがめただけの動作で、あっさりとその渾身の一 撃をかわされ、勢いのままに三橋の後方へと倒れ込むはめになった。ドゴッ、 と床板に左半身を激しく打ちつけた滝野は、それでも憤怒にその眼を燃やしな がら、彼に向かっていこうともう一度立ち上がりかけた……が、その滝野の動 きはピタリと止まった。彼女が倒れこんだ隙に身体の向きを変えた三橋は、す でに滝野の胸に狙いを定めている。 「ワリーが、次は、外さねー……さっきは撃ったの、初めてだったからよ」 撃たれたことはあるんだぜ、当たったことはねーけど、真っ黒な目でそう呟 きながら、三橋はもう一度グリップを握りなおした。視界が真っ赤に染まるの を感じ、滝野はちくしょう、と呟く…… 「ちくしょう、ちくしょう、おーさかのかたき、ちくしょう……!」 彼女の思考は混乱する。死ぬ前に見るという走馬灯は訪れず、悔しさと憎悪 だけが彼女の胸にあふれていた。滝野は唇を噛み、目をつむる。トリガーにか かった三橋の指先に、力がこもり始め……銃口が再び火を噴かんとした、その ときだった。 「とも、ちゃん、にげて!」 か細いけれど、それでも凛とした響きの声が、滝野の耳をうった。反射的に 目を見開いた彼女は、壮絶な光景を目にする。 「クソッ、オメー……っ」 血まみれの春日が、手にした十徳ナイフで、三橋の右腕の付け根を刺してい た。柄まで押し込むように、渾身の力で、その小さな刃物を、金髪の悪魔にね じ込んでいた。春日の目からは、涙が滝のように流れ落ちている。撃たれた痛 みではなく、その手で初めて他人を傷つけた胸の痛みが、彼女の涙腺を決壊さ せていた。春日が突き立てた十徳ナイフの刃は短い。それでもその刃は、三橋 が滝野に向けていた銃口を下に向けさせるだけの力を持っていた。 滝野は、ひゅっ、と喉元で息が詰まるのを感じる。なんとかもつれた足で走 り出そうとしたが、春日をおいていくことにためらいが生まれ、玄関口で一瞬 ふり返った。 「はよ、行、てぇええええええ!」 春日のその叫びの最後はほとんど嗚咽だった。三橋が立ち上がりざま、力任 せに春日の身体を振り落とす。ナイフは抜け落ち、床に転げた。それでも春日 は三橋の足にすがりつく。またも銃口は滝野に向けられようとしている。滝野 は今度こそ、必死で逃げた。春日をふり返らず、寺の玄関口から全速で走り出 た。血まみれの友人が、最後の力で自分を逃がそうとしていたのがわかってし まったから、滝野は決してふり返らなかった。ただ、ひたすらに走り続けた。 ……そして、彼女の背中は、無学寺から遠く、遠く離れていった。三橋の銃 の射程距離をこえて、遠くへと。 【F-8 森/一日目 昼】 【滝野智@あずまんが大王】 【状態】 左半身に打ち身 強度の精神的動揺 【装備】 フライパン 【所持品】 (すべて無学寺にデイパックごと置きっぱなし) 【思考・行動】 基本: F-8の無学寺から出て、森の中を走っている。 春日をおいて逃げたのは正しかったと理性ではわかっているが、感情がついて いかない。三橋のことが許せない。 1 大阪、ごめん、ごめん……! 2 三橋、絶対に許さない 滝野の背中を見送ることになった三橋は、ハァ、と溜息をひとつ吐いて、そ の場に座り込んだ。その横には、息も絶え絶えの春日がうつぶせに倒れている。 右頬を床板につけて、うつろな目で自分を見ている春日のこめかみに銃口を押 しあてながら、三橋は口を開いた。 「……けっこー、痛かったぜ、さっきの」 それを聞いた春日は、少し眉間に皺を寄せ、小さな声で返事をする。 「あんな、んで、刺しても、血、いっぱい、出るんやね……ミ、ツハシ君、ご めん、なー、痛か……たやろ」 「……オメーのほうがよっぽど血まみれだろーが」 「あは、そや、ね……」 言いながら、泣きはらした赤い目と青い顔で春日は笑う。もうあまり彼女に 時間は残されていないようだった。そんな春日を見て三橋は、何とも言えない 苦い思いを噛みしめる。彼女の笑顔は、どんな罵声よりもよほど三橋の胸に突 き刺さった。 「なんで……俺の心配なんか、してんだよ」 「え……?」 「俺がオメー撃ったんだぜ、今だって……コレ見えてねーわけじゃねえだろ」 まだ、三橋は銃口を春日のこめかみにあてがったままだ。その冷たい金属の 感触は、確かに彼女に伝わっているはずなのに、春日は苦しそうな呼吸の中で、 それでもたどたどしく言葉を紡ぐ。それは少しばかり、素っ頓狂な質問だった。 「……ミツ、ハシ君な、ひゃくメー、トル、何、秒で、走れるん?」 「あァ?」 突然の脈絡のない質問に、三橋はいぶかしく思って声をあげる。それを気に することもなく、春日は荒い息のまま、話を続けた。 「うち、おっ、そいねん……じゅ、さいの……ちよちゃ、にも、勝て、へん」 「……」 「きっ、と……みん、なと、会え、ても、足、手まと、い、なる……これ、で、 よか、た、かも……」 「……そーでもねーぞ、オメーのおかげで俺はあいつ、撃てなかったからよ」 「あ、そや、ね……うち、に、した、ら、じょ、でき、やぁ……」 春日の哀しいセリフを聞いて、三橋の胸は痛んだ。彼とて、決して好きで彼 女に銃を向けたわけではない。彼にも、彼なりに守るべきものがあったから、 やむを得ずそうしただけだ。三橋は、被害者である春日を相手に、撃った言い 訳をするつもりなどなかった。それでも、自分のこの、やむにやまれぬ心情を、 胸の内にとどめておくのは辛すぎる気がして、ぽろりと言葉をこぼす。 「……俺、の」 「……な、に?」 「俺の、ガッコの奴らはよ、みんな、バカみてーなマジメ君ばっかでよ……イ トーなんかぜってー人殺すなんてありえねーし、リコのチビも、良クンも…… 高崎のヤローなんてなおさらそんなマネ、できるわけねーんだ」 「……」 「俺は……俺は、ヒキョーもん、だからよ……」 周りの誰もがそう言い、自分でも認めていたことだったが、こうして口にし てみればあまりにも、自分自身に似合いすぎる言葉である気がして、三橋は自 嘲する。 「……ミ、ツハ、シく、やさ、しん、やね」 春日の返した言葉に、一時、三橋は言葉を失った。むしろその言葉こそが、 愚かしいほどに優しかったから。 「バーカ……優しい奴がなんでオメー撃つんだよ」 「……やさ、し、から……う、たん、やろ……」 そう言って、春日は血の気のない顔に、もう一度笑みを浮かべた。それが酷 く綺麗で、三橋は見とれる。こめかみに押しつけていた銃口をもちあげると、 彼は左手をその額に伸ばして、乱れてはりついた髪をそっと整えてやった。 ……それから、三橋は、どこか不安げな眼差しで、春日に問う。 「なあ、大阪……俺が、他の奴ら全部……殺して、イトーとか……リコは」 そこで、三橋は一度、言葉を切った。妙に粘つく口内にたまった唾液を飲み 下してから、肚の中に埋まったままの言葉を探すように、ゆっくりとその問い を口にする。 「……リコは、『しょ~がないわね、三ちゃんは~』とかって、言ってくれる と思うか?」 静かな堂内で、その問いはおかしな程に響いた。答えはない。春日の唇から はもう、何の言葉も聴こえてはこなかった。 「……なあ、答えてくんねーのかよ」 そう言って三橋は、春日の顔をのぞきこむ。その顔は、笑みを浮かべたまま に固まっていて、もはやぴくりとも動きはしない。 「あー……、そうか、死んじまったのか……」 彼女の死を確認するように言葉を紡いで、彼はうなだれた。その目からこぼ れ落ちた、塩辛い水滴が一粒、春日の頬の上ではじける。 ……外では、冬空を駆ける百舌が、ひときわ高い声をあげて、鳴いていた。 【春日歩@あずまんが大王 死亡】 【残り33人】 【F-8 無学寺/一日目 昼】 【三橋貴志@今日から俺は!!】 【状態】右腕付け根に刺し傷(軽傷だが少し痛みはある) 殺人に対する後悔 からくる精神の不均衡 【装備】FN M1906(5/6)(元は春日歩の支給武器)、鉄扇(重さ600g程度) 【所持品】支給品一式、シュノーケル、水中ゴーグル 【思考】 基本: 軟葉高校の他の仲間たちはどう考えても人殺しなどできない。 だから、仲間を守るためには、他の学校の人間を殺すことも仕方ない。 1 ……あー……、……畜生 2 リコは、『しょうがないわね~、三ちゃんは』と言ってくれるだろうか 3 イトーやリコたちは無事なのか、どこにいるんだろうか 【三橋についての備考】 プログラムについての知識および情報は、滝野・春日両名によって補完されま した。最初から理解していた人間と比較しても、遜色はありません。ただし、 名簿はまだ実際には見ておらず、春日が読み上げた自分の仲間の名前を覚えて いるだけなので、春日の本名を大阪だと勘違いしたままです。 基本としては仲間を守るために他者を殺すことは仕方のないことだと考えてい ますが、春日歩を実際に殺したことがかなり響いており、後悔の念が押し寄せ て、強い動揺を覚えています。 【春日、滝野の所持品等についての備考】 無学寺の堂内に、春日歩のデイパックと三橋を刺した十徳ナイフ、滝野智のデ イパックと割り箸一膳が落ちています。フライパンは滝野が持ったまま走って いきました。 投下順で読む Next ブルーと熱い二人
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暗くもなく明るくもなく。寒くもなく暖かくもなく。およそ現実の言葉で規 定されない謎めいた空間に、短ランで金髪の男――千葉が世界に誇る不良、三 橋貴志である――は、プカプカと浮いていた。あたりは一面、怪しげな靄に包 まれている。そのまま三橋はどこぞの宗教家よろしく空中で胡座をかくと、フ ワフワとそこら中を飛び回り始めた。 もちろん、三橋はいたって普通の――と言うと若干語弊があるかもしれない けれども――不良高校生であり、間違っても空中浮揚などという技は身につけ ていない。では、なぜ彼は空中をさまよっているのか? その問の答はごく簡 単だ。そう、三橋貴志は夢を見ているのである。 本人は自分が夢の中にいるなどとは気づいていないし、まだ目覚める様子も ない。ただ徒にまどろみに身を任せているだけなのだから、まったく暢気なも のだ。何せ寝入ったが最後、なかなか目の覚めない質の三橋だから、夢の世界 にたゆたっている時間は人より長い。すでにこの島に来てから5時間ほどは経 っているというのに、いまだにこの調子である。 とはいえ、金髪の悪魔と呼ばれる三橋も人の子。睡眠中、浅い眠りと深い眠 りが交互にやってくるのは一般人と同じである。そして、人は通常、浅い眠り ……つまりはレム睡眠のときに夢を見る。 三橋は今、この島に来て何度目かの夢の世界に没入中である。要するに今、 三橋の眠りは浅くなっているのだ。今度こそ、ひょっとしたら途中で目が覚め る……かもしれない。運が良ければ、だが。 ……おや、そんな彼の夢の中に、ちょっとしたゲストが姿を現した。いつも のにぎやかな連中だ……三橋も彼らの存在に気づいたらしい。 (んん……何じゃ? 今井と谷川がいる……) 『……谷川ぁ!』 『……今井サン!』 『谷川……! 俺はやった! やったぞ!』 『やりましたね! 当選おめでとうございます!』 『ああ……ついに当ててやったぜ、にしひょー島の旅……!』 『ハハッ、やだなあ今井サン、にしひょー島じゃなくてイリオモテ島でしょ!』 『……エッ? そ、そうなの……?』 『あ、あー、イヤ、でも今井サン、さすがですよ! ヨンデー買いまくった甲 斐がありましたね!』 『おうよ……応募券101枚貼りつけたからな!』 『“イマイ”にかけて101枚ですもんね!』 『やっぱりな、ゲンは担げるだけ担いどくもんだよな……よし、三橋のヤツに 自慢してやろうぜ!』 (今井と谷川のヤロー、オレ様のキョカも得ずにイリオモテ島だと? 馬が島 行ってどーする! 人間のオレ様にゆずるべきじゃ!) 相変わらず、もはや気持ちいいほどに傍若無人な三橋は、自分の夢の中に勝 手に登場させた今井と谷川に、しごく理不尽な理由で腹を立てている。そもそ も週刊漫画誌の懸賞で西表島の旅が当たるところからして意味不明なのだが、 そこは夢。まさにご都合主義というやつだ。今井と谷川のキャラクターも三橋 のイメージからきているので、若干バカ度が上乗せされている……ような気が しないでもないが、元々爽快なまでにバカなので微妙なところである。 『でも、イリオモテ島って何が名物なんだろうな?』 『えーっと、やっぱり有名なのはイリオモテヤマネコじゃないかと思いますよ』 『ネコ?』 『天然記念物のヤマネコです。なかなか出会えないらしいんですけど、あの応 募総数の中からイリオモテ島の旅を当てた今井サンなら会えるんじゃないです かね~?』 『フッ、まあな、今の俺なら、ネコだろうがイヌだろうが何でも会えるに決ま ってるぜ!』 『そうですね! 今井サンならきっといけますよ!』 (……ぬぬぬ、今井のブンザイで調子に乗りやがって! ネコだかイヌだか知 らんが、オレ様のほうが先に会ってやる! アイツらが楽しそうなのは何か 気にくわん! イトー! オレらもイリオモテに行くのだ!) 夢の中でも素敵に無敵な三橋は、自分の相棒である伊藤真司を探して後ろを 振り向いた。が、今のところ伊藤は三橋の夢に顔を出すつもりがないようだ。 あたりを見回すがやはり見つからず、三橋は苛立った。 (イトー! イトー! 何で出てこないんじゃ! イトー! イトー、……イ トー?) 彼は声を上げながら、平泳ぎで空間を移動してそこかしこを探しまわったが、 伊藤の現れる気配はみじんもない。逆に少しばかり不安になってきたところで、 空を飛び回っていた三橋の身体がぐらりと揺れた。バランスが保てなくなり、 そのまま地面に真っ逆さまに落ちる……と思ったところで、三橋はついに覚醒 への階段をのぼりはじめる。 (なっ、うぉ! お、落ち) 「……るぁあああ!」 ……現実にそんな叫び声をあげた直後、ドスン、と鈍い音がして、三橋貴志 は土の上で目を覚ますことになったのであった。 「わ~、すごいな~、ほんまに落ちよった~」 「いやー、見事に落ちたなー!」 仮にも人が地面に落下したというのに、実に悠長な会話をしているこの二人。 ご存知、三橋の――とはいえ彼女たちはまだ彼の名前を知らない――目覚めを この無学寺で待っていた、春日歩と滝野智である。 夢の中で宙を泳いでいた三橋は、器用にも寝ながら平泳ぎで無学寺の床を移 動し、開いたままだった戸口を滑りぬけ、上がり框まで出た。その後、さらに 進もうとして、そのまま土間に落っこちたのだが……そんな彼を止める気など さらさらなかった滝野と春日は、『これはもしかして土間に落ちるかも、そし たらさすがに起きるかも』という期待のもとに三橋の華麗な泳ぎを見つめてい たのだった。そして二人の期待通り、三橋は鮮やかな落下を見せ、やっと目を 覚ました、というわけだ。 そんな二人の思惑など知る由もない……というより、落下した衝撃と寝起き の頭の回転の悪さから、二人がいることにすらまだ気づいていない三橋は、身 体をおこしてきょろきょろとあたりを見回すと、夢の続きのままに言葉をこぼ した。 「ぬ……? イトーは……? イリオモテは……?」 三橋のセリフから、聞き覚えのある単語を拾った春日は、いつも通りの口調 で滝野に話しかける。 「なあ、ともちゃん~」 その聞き慣れない声を三橋の耳がとらえ、声のするほうにふりむいて、やっ と二人の存在に気づいたとき、滝野と春日は非常にどうでもいい会話をくりひ ろげていた。 「あの人“西表”読めとるよ、アホの子やないかもしれへんね~」 「いや、読めてるかはわかんねーぞ大阪、カタカナで言ってるだけかもしんね ーし」 「あ、そか、カタカナって可能性もあるんか~」 この緊張感のなさはある意味で奇跡といってもよかったが、もちろんこのバ トルロワイアルという状況下において、それはまったく好ましいことではない。 恐ろしいことに、この場にいる誰もそんなことは気にしていない――どころか、 一人はこの状況すら把握していない――のだが。 まだ土間に座りっぱなしの三橋の頭の中では、(……ここはどこだ? こり ゃどーなってンだ? こいつら誰だ?)とまあ、矢継ぎ早に「?」が点滅して いた。鷹揚で細かいことは気にしない、ある意味では器の大きい彼だが、さす がにこれは気にしたほうがいい、と判断する。結果、三橋がしたのは、目の前 の女二人に話しかけることだった。 「……オイ、オメーら」 かけられた声でとりとめのない会話を中断した二人は、一瞬三橋のほうを向 いたあと、顔を見合わせる。それから、少し声を落として、ひそひそと喋り始 めた。 「と、ともちゃん、この人、話しかけてきとるよ~」 「お、おう、やっぱ落ちたら起きるよな……っていうか大阪、聞くことあるん だろ?」 「あ、そやった、忘れるとこやった……どないしよ、ともちゃん、うち、あの 人の名前わからへん~」 「や、だからそれも聞けよ!」 目的の人物が目覚めたのはいいが、いざとなってみると、ちょっと気後れす る春日と滝野だった。普段なら滝野はとっくにズバズバ質問に入っていたとこ ろだろうが、さすがに状況が状況なうえ、死体を見たことで動揺している部分 があるせいか、彼女も少し大人しいようだ……あくまで相対的に見て、だが。 三橋は、目の前で続けられるそんなひそひそ話に少し苛立っているものの、 相手が女なので、眉間に軽く皺を寄せながらも一応耐えていた。基本的に短気 な彼にしては上等だ。理子あたりがいたら『エラいワ、三ちゃん!』とでも褒 めそうな忍耐である。しかし、それももうあと数秒で限界というところまで来 たそのとき、ついに滝野が意を決し、三橋に声をかけた。 「こうなったらしょーがねえ……なあ、アンタ、名前は?」 それはまあ、わりと真っ当な質問だったので、気をとり直した彼はいつも通 りのノリで自己紹介をする。 「うむ、オレ様は三橋サマじゃ!」 「……大阪、すごいぞコイツ、『オレ』にも名前にも『サマ』つきで来たぞ!」 「ほんまや~、『サマ』つきやね~」 三橋のノリにひるみもしなければ直接のツッコミも入れない二人は、仲良く 『サマ』に軽い食いつきを見せた。それから、お調子者度では三橋にひけをと らない滝野が、親指をぐっと立て、ウインクしながら言い放つ。 「ワタシ様は滝野智サマだ! そんでこっちは大阪! よろしく!」 「ともちゃん~、『ワタシ様』は何か変やと思う~」 そこは『大阪』と紹介されたことにツッコむべきであるような気もするが、 もはやこのあだ名に違和感を感じていないらしい春日は、名前を訂正する気も ないようだ。おかげで、三橋の中で春日の名前は本当に『大阪』になってしま ったのだが、とりあえず全員が名乗り終わった。その時点で三橋は滝野=バカ・ 春日=ボケだと思い、滝野は三橋=バカだと思い、春日は三橋=アホの子・ 滝 野=やっぱりアホの子や~、と思っていた。まあ、全員似たようなものだ。 こんな調子で自己紹介を終えた三人のうち、最初に口を開いたのは大阪こと 春日歩であった。 「えっと、ミツハシサマくん、やっけ?」 「や、サマとくん並べたら変じゃね?」 「あ~、そやねともちゃん、ほんなら、ミツハシくん?」 「おう」 この短時間で慣れたのか、二人のかもし出すとぼけた空気をものともせず、 三橋は適当に返事をする。すると、春日は何とも要領を得ない質問を三橋に投 げかけた。 「あんな、ミツハシくんな、めっちゃ寝てたやん? なんであんな寝てたん?」 「そりゃオメー、眠かったからだろーがよ」 ……まあ、この返事はいたしかたあるまい。言葉の足りなかった春日は、も う一度口を開く。 「……や、そうやなくてな? 今あれやん? プログラムやることになっても ーて、バト、……バトルロ……、バ、トルロイヤルな感じになってるわけやん? なのにミツハシくん、めっちゃスヤスヤ寝とったやん? やから、何か知っと るんかなーとか思たんやけど」 やっとのことで聞くべきことを聞いた春日だが、相手は眠りっぱなしだった せいで基本情報が抜け落ちている三橋である。当然、彼女の質問の意味など理 解できていない。おかげで彼は質問に質問で返すことになった。 「なあ、よくわかんねーんだけどよ、プログラムがどうのって何のことだ?」 この言葉を聞いたときの滝野と春日の顔といったら、とても人様に見せられ るものではなかった。ビックリも極まれり、である。あまりのことに二人とも しばらく放心していたのだが、何とか先に正気をとり戻した滝野が口を開き、 それに続いて春日も言葉を発した。 「だ、だからプログラムだよ! いま私らプログラムやらされてんだろ! 朝 の話聞いてなかったのかよ、ほら、あのエセ金八みてーな……」 「な、なあ、ミツハシくん、今日の朝、坂持いう人が話してたやん? 聞いと ったやろ?」 「……? 朝の話? 坂持? ナンのことじゃ?」 このセリフに二度目の人に見せられないビックリ顔を晒した滝野と春日だっ たが、彼女たちは気丈にも、目の前のゆかり車以上に衝撃的な人物との会話を 続けた。 「……え、えーっとな? ミツハシはさ、どこの学校なわけ?」 「ガッコー? 軟葉だけどよ」 「ナンヨウ……大阪、名簿出して、名簿!」 「うん、ちょお待ってな」 滝野に言われて、春日はデイパックから名簿を出す。文字列を指で辿ってい くと、『軟葉高校』の項には確かに『三橋貴志』の名前があった。 「あった、ともちゃん、ミツハシくん、軟葉高校の三橋貴志くんいうんや…… ほかの子は、伊藤真司くん、高崎秀一くん、田中良くん、あと女の子が一人お って、赤坂理子ちゃん」 「よし、ナンヨウ高校のミツハシな! 今言ったのがお前の仲間だかんな! 覚えとけよ!」 「……? ガッコーが何のカンケーあんだよ? その紙何だ? イトーとかリ コとか……」 滝野はその声に勢いよくふりむくと、ビッ、と人差し指で三橋の額のあたり を思いっきり指差しながら、高らかに宣言してみせる。 「いいか、ミツハシ、これから説明するからな! よく聞けよ! ビックリす んなよ! いや、ビックリしろ!」 「……お、おお、どっちだ?」 あの三橋を若干ひるませた女として、ちょっぴり歴史に残るかもしれない滝 野は、無駄に大きなモーションで話を始める。はっきり言って、三橋は彼女た ちの予想以上に『アホの子』であったので、これはちゃんと状況をわからせて やらないといけない、という使命感が二人に芽生えたのだ。これで彼女らが三 橋の目覚めを待っていた意味はまったくなくなったとはいえ、まさか、いつ銃 弾やら何やらが襲ってくるかもわからない状況で、何も知らないままの『アホ の子』をこの場に放置するほど、二人は冷たくなれなかった……たとえそれが、 余計な危険を招くかもしれない行為だったとしても。 というわけで三橋貴志はとりあえず土間から堂内へと上がり、滝野&春日の ボンクラーズから現状把握のための講義を受けることと相成ったのである。 講義の始まりから十数分。この島の中にいる他のメンバーよりも、ざっと5 時間半ほど遅れてではあったが、三橋はついに大方の状況を理解した。滝野と 春日の努力の賜物である。 「……ほー、つまり、学校対抗の殺しあいみてーなもんなんだな?」 「まあ……、そういうことだな、あんま『コロシアイ』とか言いたくねーけど」 「うん……」 「……で、水とか食い物とか、あと武器みてーのがカバンの中に入ってるって 言ったよな?」 「おう」 「あ、ミツハシくんのカバンな、そっちにおいてるよ~」 「あー、コレか」 一通りの説明を受けた三橋は、自分の持ち物を確かめるためにデイパックに 手を伸ばした。ジッパーを開けると、水や食料、名簿といった基本の品の他に、 デイパックから出てきたのは3つ。そのうちの1つ、扇子を開いていた三橋の 手元を覗き込んだ滝野が、声をあげた。 「何だコレ……シュノーケルに水中ゴーグルに扇子かよ、ミツハシのも武器ら しい武器じゃねーな!」 言いながら、内心滝野はホッとしていた。彼女は基本的に、『アホの子』三 橋が攻撃などしてくるはずはない、と思っている。だが一方で、明らかに自分 たちより力のありそうな彼が、凶器を持っていたら怖かっただろうな、とも思 う。それはこの状況下において、ごく当然の反応だと言えた。一片の恐れもな く目の前の初対面の男を信じるなど、そうそうできることではない。 ……とはいうものの、こんな武器しか支給されていないなら、さすがに三橋 が襲いかかってくる可能性はゼロだろう、と滝野は思った。いくら自分たちが 女であるとはいえ、何か武器を持っているかもしれない二人を前に、素手でぶ つかってくることはあるまい、と考えたのである。それに、もしものことがあ ったとしても、春日の銃で脅せばいい……と、そう思ったところで滝野は、知 らぬ間に物騒なことを考えていた自分自身が嫌になり、(いやいや……こいつ バカだし、襲ってくるなんて、ないない!)と思考を中断した。そんな滝野の 思いなど知らず、春日はのんびりした口調で、滝野を少し憂鬱な気分にさせる 言葉を吐く。 「ミツハシくんもはずれやね~」 “はずれ”。そう、“あたり”の武器を持っているのは今、春日だけだ。滝野は思 う。実のところ、春日の“あたり”やら“はずれ”やらの言葉の裏には何もないし、 大した意味もこもってはいなかったのだが。 ……そして次に口を開いたのは、滝野の思惑も、春日の無心も知らない三橋。 「……みてーだな、しょーがねーか」 そうこぼしたものの、三橋の胸中は別だった。(シュノーケルに水中ゴーグ ル、こいつらはまあ、武器としちゃ“はずれ”だ、けどこの扇子は使えっかもしん ねー)、というのが彼の内心であった。三橋に支給されたこの扇子、実は600g もの重さのある代物だ。それは、普段こうしたものにふれることのない彼です ら、明らかに普通のものより重いと判じるに足る、異様な重さである。 それもそのはず、三橋に支給されたこの扇子は、いわゆる鉄扇であった。開 いた扇面は普通の紙製だが、骨は鉄でできている。これで打擲すればそれなり のダメージを与えられるくせに、周りからはとても武器には見えないという、 れっきとした暗器なのだ。 もちろん鉄扇というものについてはまるで知らない三橋だが、内心、(こり ゃ、けっこーいい武器になりそうじゃねーか)と思いはした。そこにいる二人 には悟られないように、ひっそりと。 ……そう、本来の三橋は、危機的状況において『アホの子』ではないのだ。 むしろ、そういう場面でこそもっとも頭が回転するタイプだと言っていい。彼 は、あえて扇子の重さを口にしなかった。“使える武器を持っている”と思われ ることは得策でない、と考えたからだ。これは決して的はずれな考えではない。 現に滝野は、三橋の武器が無力であると思いこみ、僅かばかり持っていた警戒 を緩めてしまったのだから……それが、どんな結果を招くか、知りもせずに。 すでに駆け引きを始めていた三橋は、さりげなく鉄扇だけをポケットに入れ、 あとをバッグに戻すと、ごく普通に気になったから聞いた、という態度で二人 にたずねる。 「そういや、オメーらの武器は何だったんだよ?」 先ほど、春日――三橋の中ではいまだに“大阪”のままだったが――は『ミツ ハシくん“も”』と言った。抜け目なくそれを頭に入れていた彼は、少なくとも 彼女たちのうちどちらかには、武器にならないものが支給されたと考えていい、 と読んでいた。同時に、片方が何か武器らしい武器を持っている可能性も忘れ てはいない。もしそうであった場合、ちょっと厄介だ、と三橋は考えた。いく ら女二人――しかも、わざわざ自分にプログラムの内容を説明してくれるよう なお人好し――とはいえ、銃だの何だのを持っていたら、“失敗したとき”にこ ちらが怪我をする可能性だってある……と。そんな三橋の脳味噌の高速回転ぶ りなどつゆ知らず、滝野は素直に彼の問いかけに答えてしまう。 「あー、私のはこれだ」 滝野が割り箸一膳とフライパンをとり出す。それを見て三橋は少し笑った。 フライパンはまだしも、割り箸は役に立つまい……反撃の、役には。 「プッ、そりゃヒデーな……オメーは?」 「えっと、うちのはこれや~」 その言葉とともにとり出されたのは、十徳ナイフとFN M1906。気の抜ける 口調とは裏腹に、殺傷力の高さではこの場でもっとも上と思われる武器が姿を 現す。 ……瞬間、三橋の瞳はギラリと光った。 その光に彼女たちのどちらかが気づいていれば、結果は違ったかもしれない。 だが、現実は非情だった。三橋と二人とでは、くぐり抜けてきた修羅場の数が 違いすぎる。何せ三橋はこう見えて、千葉随一の不良なのだ。それに彼女たち は、お調子者で身勝手なこの男が、いざという時には守るべきもののために血 を流すだけの激情を持っていることを、まるで知らなかった。 「すげー、銃じゃねーか! オレ触ったことねーんだ、触らしてくれよ!」 すぐさま表情を作りかえた三橋は、目をキラキラ光らせて春日にそう言う。 その目を見た春日に、(ああ、いつものともちゃんやったらこんな感じやった やろな~……)という、軽い感傷が訪れた。三橋の顔はまるで、子供そのもの だったから、滝野も、(なんだ、やっぱりこいつバカだなあ、ガキみたいだ) と思って、少し笑う。 ……だから、春日は、三橋に自分の銃を渡すことをためらわなかった。 ……だから、滝野は、春日が三橋に銃を渡すことを止めはしなかった。 “金髪の悪魔”こと三橋貴志、一流の演技。喧嘩も強いが卑怯でずる賢い、こ の男のその見事な手管に、春日も滝野もあっけなく絡めとられたのだ。笑顔で 春日の手から銃をとった三橋の目が、またも暗く光る。瞬間、滝野はその危う い色に気づいたが、すでに遅かった。 男の手には少し小さなグリップが、しっかりと握り込まれる。その衝撃で、 グリップセイフティがはずれた。三橋が、トリガーを引く指に力をこめる。 銃を使うつもりのなかった春日は、FN M1906の説明書にあったセイフティ の項まできちんと読んでいなかった。銃という武器に対する恐れもあったのか もしれない。そのせいで、もうひとつの安全装置……サムセイフティのかかっ ていない状態でこの銃が自分に支給されていたことに、彼女はまったく気づい ていなかった。三橋とてセイフティのことまでは頭になかったのだから、もし サムセイフティがかかっていれば……こればかりはもはや、運が悪かったとし か言いようがない。 ……そして、.25口径が、火を噴いた。 ズガァン、という無粋な音が、静かな無学寺の敷地内に響きわたる。 滝野は数秒間、呆然と三橋の手元を見ていた。銃口から細い煙が上がる。彼 女は何が起こったのか、すぐには理解できなかった。向けられた銃口から腕、 首を通って、三橋の顔に滝野の視線がやっと届く。彼の目は、前方……滝野の 座っている場所のすぐ左、やや下方を見ていた。つまり、春日歩が座っていた はずの、その場所を。 滝野の視線が、三橋の視線を辿る。まるで油の切れたブリキ人形のように、 ぎこちない動きで彼女の首はゆっくりと左にまわされる。ついさっきまですぐ 横には、春日の横顔があったはずだった。けれどもそこには何もなく……視線 をゆっくりと下げれば、冷たい堂内の板張りの床の上、左胸の心臓より少し上 あたりから大量の血を流してうずくまる、春日の姿があった。 「……お、おーさかぁあああああああああ!!!!!!!」 滝野が春日のあだ名を呼ぶ声は、次第に悲鳴へと変わっていった。倒れ伏し た春日の身体には力がない。喉からは、ひゅうひゅうと細い呼吸音が漏れてい たが、頭に血ののぼった滝野には聞こえていなかった。 ……滝野智の精神のたがは、そのとき、派手な音を立てて外れた。 留め金を失ってバラバラになった彼女の心を占めたのは、純粋な怒りだった。 恐怖でも、悲しみでもなく、ただ、ひたすらな怒りだった。ただただ彼女は、 許せない、と思った。この目の前の金髪の男に対して、湧き上がったのは言葉 にできないほどの憎悪だった。 「お、まえ、おまえ、何てこと、何てことをーーーーーーーーー!!!!」 滝野は、怒りに我を忘れ、傍にあったフライパンを手に襲いかかる。だが、 身体をわずかに横にずらしてかがめただけの動作で、あっさりとその渾身の一 撃をかわされ、勢いのままに三橋の後方へと倒れ込むはめになった。ドゴッ、 と床板に左半身を激しく打ちつけた滝野は、それでも憤怒にその眼を燃やしな がら、彼に向かっていこうともう一度立ち上がりかけた……が、その滝野の動 きはピタリと止まった。彼女が倒れこんだ隙に身体の向きを変えた三橋は、す でに滝野の胸に狙いを定めている。 「ワリーが、次は、外さねー……さっきは撃ったの、初めてだったからよ」 撃たれたことはあるんだぜ、当たったことはねーけど、真っ黒な目でそう呟 きながら、三橋はもう一度グリップを握りなおした。視界が真っ赤に染まるの を感じ、滝野はちくしょう、と呟く…… 「ちくしょう、ちくしょう、おーさかのかたき、ちくしょう……!」 彼女の思考は混乱する。死ぬ前に見るという走馬灯は訪れず、悔しさと憎悪 だけが彼女の胸にあふれていた。滝野は唇を噛み、目をつむる。トリガーにか かった三橋の指先に、力がこもり始め……銃口が再び火を噴かんとした、その ときだった。 「とも、ちゃん、にげて!」 か細いけれど、それでも凛とした響きの声が、滝野の耳をうった。反射的に 目を見開いた彼女は、壮絶な光景を目にする。 「クソッ、オメー……っ」 血まみれの春日が、手にした十徳ナイフで、三橋の右腕の付け根を刺してい た。柄まで押し込むように、渾身の力で、その小さな刃物を、金髪の悪魔にね じ込んでいた。春日の目からは、涙が滝のように流れ落ちている。撃たれた痛 みではなく、その手で初めて他人を傷つけた胸の痛みが、彼女の涙腺を決壊さ せていた。春日が突き立てた十徳ナイフの刃は短い。それでもその刃は、三橋 が滝野に向けていた銃口を下に向けさせるだけの力を持っていた。 滝野は、ひゅっ、と喉元で息が詰まるのを感じる。なんとかもつれた足で走 り出そうとしたが、春日をおいていくことにためらいが生まれ、玄関口で一瞬 ふり返った。 「はよ、行、てぇええええええ!」 春日のその叫びの最後はほとんど嗚咽だった。三橋が立ち上がりざま、力任 せに春日の身体を振り落とす。ナイフは抜け落ち、床に転げた。それでも春日 は三橋の足にすがりつく。またも銃口は滝野に向けられようとしている。滝野 は今度こそ、必死で逃げた。春日をふり返らず、寺の玄関口から全速で走り出 た。血まみれの友人が、最後の力で自分を逃がそうとしていたのがわかってし まったから、滝野は決してふり返らなかった。ただ、ひたすらに走り続けた。 ……そして、彼女の背中は、無学寺から遠く、遠く離れていった。三橋の銃 の射程距離をこえて、遠くへと。 【F-8 森/一日目 昼】 【滝野智@あずまんが大王】 【状態】 左半身に打ち身 強度の精神的動揺 【装備】 フライパン 【所持品】 (すべて無学寺にデイパックごと置きっぱなし) 【思考・行動】 基本: F-8の無学寺から出て、森の中を走っている。 春日をおいて逃げたのは正しかったと理性ではわかっているが、感情がついて いかない。三橋のことが許せない。 1 大阪、ごめん、ごめん……! 2 三橋、絶対に許さない 滝野の背中を見送ることになった三橋は、ハァ、と溜息をひとつ吐いて、そ の場に座り込んだ。その横には、息も絶え絶えの春日がうつぶせに倒れている。 右頬を床板につけて、うつろな目で自分を見ている春日のこめかみに銃口を押 しあてながら、三橋は口を開いた。 「……けっこー、痛かったぜ、さっきの」 それを聞いた春日は、少し眉間に皺を寄せ、小さな声で返事をする。 「あんな、んで、刺しても、血、いっぱい、出るんやね……ミ、ツハシ君、ご めん、なー、痛か……たやろ」 「……オメーのほうがよっぽど血まみれだろーが」 「あは、そや、ね……」 言いながら、泣きはらした赤い目と青い顔で春日は笑う。もうあまり彼女に 時間は残されていないようだった。そんな春日を見て三橋は、何とも言えない 苦い思いを噛みしめる。彼女の笑顔は、どんな罵声よりもよほど三橋の胸に突 き刺さった。 「なんで……俺の心配なんか、してんだよ」 「え……?」 「俺がオメー撃ったんだぜ、今だって……コレ見えてねーわけじゃねえだろ」 まだ、三橋は銃口を春日のこめかみにあてがったままだ。その冷たい金属の 感触は、確かに彼女に伝わっているはずなのに、春日は苦しそうな呼吸の中で、 それでもたどたどしく言葉を紡ぐ。それは少しばかり、素っ頓狂な質問だった。 「……ミツ、ハシ君な、ひゃくメー、トル、何、秒で、走れるん?」 「あァ?」 突然の脈絡のない質問に、三橋はいぶかしく思って声をあげる。それを気に することもなく、春日は荒い息のまま、話を続けた。 「うち、おっ、そいねん……じゅ、さいの……ちよちゃ、にも、勝て、へん」 「……」 「きっ、と……みん、なと、会え、ても、足、手まと、い、なる……これ、で、 よか、た、かも……」 「……そーでもねーぞ、オメーのおかげで俺はあいつ、撃てなかったからよ」 「あ、そや、ね……うち、に、した、ら、じょ、でき、やぁ……」 春日の哀しいセリフを聞いて、三橋の胸は痛んだ。彼とて、決して好きで彼 女に銃を向けたわけではない。彼にも、彼なりに守るべきものがあったから、 やむを得ずそうしただけだ。三橋は、被害者である春日を相手に、撃った言い 訳をするつもりなどなかった。それでも、自分のこの、やむにやまれぬ心情を、 胸の内にとどめておくのは辛すぎる気がして、ぽろりと言葉をこぼす。 「……俺、の」 「……な、に?」 「俺の、ガッコの奴らはよ、みんな、バカみてーなマジメ君ばっかでよ……イ トーなんかぜってー人殺すなんてありえねーし、リコのチビも、良クンも…… 高崎のヤローなんてなおさらそんなマネ、できるわけねーんだ」 「……」 「俺は……俺は、ヒキョーもん、だからよ……」 周りの誰もがそう言い、自分でも認めていたことだったが、こうして口にし てみればあまりにも、自分自身に似合いすぎる言葉である気がして、三橋は自 嘲する。 「……ミ、ツハ、シく、やさ、しん、やね」 春日の返した言葉に、一時、三橋は言葉を失った。むしろその言葉こそが、 愚かしいほどに優しかったから。 「バーカ……優しい奴がなんでオメー撃つんだよ」 「……やさ、し、から……う、たん、やろ……」 そう言って、春日は血の気のない顔に、もう一度笑みを浮かべた。それが酷 く綺麗で、三橋は見とれる。こめかみに押しつけていた銃口をもちあげると、 彼は左手をその額に伸ばして、乱れてはりついた髪をそっと整えてやった。 ……それから、三橋は、どこか不安げな眼差しで、春日に問う。 「なあ、大阪……俺が、他の奴ら全部……殺して、イトーとか……リコは」 そこで、三橋は一度、言葉を切った。妙に粘つく口内にたまった唾液を飲み 下してから、肚の中に埋まったままの言葉を探すように、ゆっくりとその問い を口にする。 「……リコは、『しょ~がないわね、三ちゃんは~』とかって、言ってくれる と思うか?」 静かな堂内で、その問いはおかしな程に響いた。答えはない。春日の唇から はもう、何の言葉も聴こえてはこなかった。 「……なあ、答えてくんねーのかよ」 そう言って三橋は、春日の顔をのぞきこむ。その顔は、笑みを浮かべたまま に固まっていて、もはやぴくりとも動きはしない。 「あー……、そうか、死んじまったのか……」 彼女の死を確認するように言葉を紡いで、彼はうなだれた。その目からこぼ れ落ちた、塩辛い水滴が一粒、春日の頬の上ではじける。 ……外では、冬空を駆ける百舌が、ひときわ高い声をあげて、鳴いていた。 【春日歩@あずまんが大王 死亡】 【残り33人】 【F-8 無学寺/一日目 昼】 【三橋貴志@今日から俺は!!】 【状態】右腕付け根に刺し傷(軽傷だが少し痛みはある) 殺人に対する後悔 からくる精神の不均衡 【装備】FN M1906(5/6)(元は春日歩の支給武器)、鉄扇(重さ600g程度) 【所持品】支給品一式、シュノーケル、水中ゴーグル 【思考】 基本: 軟葉高校の他の仲間たちはどう考えても人殺しなどできない。 だから、仲間を守るためには、他の学校の人間を殺すことも仕方ない。 1 ……あー……、……畜生 2 リコは、『しょうがないわね~、三ちゃんは』と言ってくれるだろうか 3 イトーやリコたちは無事なのか、どこにいるんだろうか 【三橋についての備考】 プログラムについての知識および情報は、滝野・春日両名によって補完されま した。最初から理解していた人間と比較しても、遜色はありません。ただし、 名簿はまだ実際には見ておらず、春日が読み上げた自分の仲間の名前を覚えて いるだけなので、春日の本名を大阪だと勘違いしたままです。 基本としては仲間を守るために他者を殺すことは仕方のないことだと考えてい ますが、春日歩を実際に殺したことがかなり響いており、後悔の念が押し寄せ て、強い動揺を覚えています。 【春日、滝野の所持品等についての備考】 無学寺の堂内に、春日歩のデイパックと三橋を刺した十徳ナイフ、滝野智のデ イパックと割り箸一膳が落ちています。フライパンは滝野が持ったまま走って いきました。 投下順で読む Next ブルーと熱い二人
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いつかおわるゆめ 収録作品:ファイナルファンタジーX[PS2/PS3/PSV]/DISSIDIA 012 FINAL FANTASY[PSP] 作曲者:植松伸夫/編曲者:浜渦正志 概要 思い出話は…… もう…… おしまいっ 本作終盤で訪れるダンジョン「ザナルカンド遺跡」で流れるBGMであり、『FF10』では「ザナルカンドにて」と双璧を為す人気曲である。 「ザナルカンドにて」はゲームOPで、主人公達がザナルカンドの廃墟で焚き火を囲むムービーで流れるイベント曲なのに対し、こちらはダンジョンで常時流れているフィールド曲となる。 ちなみに、このダンジョンでの通常戦闘では戦闘用の曲へと移行しないため、ダンジョン探索時だけでなく戦闘でも常時この曲が流れ続ける。 「スピラの情景」や「ユウナのテーマ」と同じく本曲のメロディはゲーム挿入歌の「素敵だね」のアレンジである。 かつては人工の光に溢れ、栄えていたザナルカンドが今となっては幻光虫と星の光だけが頼りの廃墟と化しているという盛者必衰の理を表現したような、そして同時に主人公達の旅もまた終わりが近い事を告げるような、そんな哀愁漂う曲となっている。 また上記の通り戦闘になっても曲が途切れない為、プレイヤーは曲とゲームの雰囲気をたっぷり味わいながらダンジョンを探索できる親切設計となっている。 また、ザナルカンド遺跡到達まで主人公ティーダの物語を追いかけたプレイヤーには言わずとも伝わると思われるが、曲名に関してもストーリー展開に非常に沿ったものとなっている。 本楽曲が流れる直前に「思い出話はもうおしまい」というセリフが入るが、「思い出」は素直に読み解けばティーダの独白による回想のことである。 しかし、直後に流れる本楽曲名や、終わりを予感させる「最後の夢(ファイナルファンタジー)」の真実を知っていると、物語の大きなターニングポイントであり、その結末を示唆する重要なワードのように感じられるのではないだろうか。 みんなで決めるプレイステーション2BGMランキングでは、並み居るPS2の名曲たちの中で1位に輝いた。 過去ランキング順位 第3回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 384位 第4回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 150位 第5回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 89位 第6回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 102位 第7回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 57位 第8回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 86位 第9回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 121位 第10回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 285位 第11回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 376位 第12回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 167位 第13回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 69位 第14回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 180位 第15回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 326位 第16回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 155位 みんなで決めるスクウェア・エニックス名曲ベスト100 67位 第2回みんなで決めるスクウェア・エニックス名曲ベスト100 29位 みんなで決めるフィールド曲ベスト100 126位 FINAL FANTASY BGMランキング 3位 みんなで決める癒しBGMランキング 59位 みんなで決めるダンジョン曲ベスト100 187位 みんなで決める夜曲ランキングベスト100 12位 みんなで決めるゲーム音楽歴代ベスト100ランキング 145位 みんなで決める泣き曲ランキング 7位 みんなで決めるプレイステーション2BGMランキング 1位 みんなで決める2000年~2007年の名曲ランキング 8位 サウンドトラック FINAL FANTASY X Original Soundtrack DISSIDIA 012【duodecim】FINAL FANTASY オリジナル・サウンドトラック FINAL FANTASY X HD Remaster Original Soundtrack
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インターミッション2(その1 その2 その3)<<前 デイ・オブ・X-1(昼 夜) 次>>第3話:3-A(前半 中盤 後半) 3-B(前半 後半) 3-C(前半 中盤 後半) プレイヤーキャラクター一覧へ 文字色説明 GM PC発言、描写など PL発言・雑談など ノルン PC発言 PL発言・雑談など クーロン PC発言 PL発言・雑談など 沙華 PC発言 PL発言・雑談など キャメラ PC発言 PL発言・雑談など ロバート PC発言 PL発言・雑談など カナタ PC発言 PL発言・雑談など BGM 野望の渦 from 信長の野望 将星録(光栄, 1997) Composed by 山下康介 3432年。メタ・ファルス共和国が建国されてからはや1年が経とうとしている。 勢力範囲の境界付近などでは小規模な戦闘が散発的に続いているが、 大規模な軍事行動は昨年のあの時を最後に途絶えている。 共和国では、少なくとも形式上は大鐘堂の寡頭制から民主制になったとはいえ、 政策面で大きな冒険はなく、従って人々の生活もさほど変化しないままである。 エレミア人とメタ・ファルス人の関係についても現状では動きはない。時が過ぎるのを待っているかのように。 情勢に変化がないのは、エナの大鐘堂もまた同じである。 懸念された食料不足は援助と住民の努力によって回避されたものの、水の確保の問題は相変わらずで、 メディアを掌握した共和国のプロパガンダがそれに追い打ちをかける。 時が経つほど、エレミア人の持っていた技術がこのメタ・ファルスの地で再実用化されていく。 時が経つほど、エナの住民は疲弊の色が濃くなっていく。 ただ待つことが最悪に近い手であることは、大鐘堂の誰もが理解していた。 同時に、次に攻め落とすべき場所が、容易ではないことも―― chapter.3 A.D.3432, B4 AA position Lere Reservoir Sluice sphaela zess Aqraffa_oylnum 世界は舞い落つ病葉の如く BGM 雑踏の中の少年 from アルトネリコ2(バンプレスト/ガスト, 2007) Composed by 中河健 昨日までの雨は上がり、エナは昼下がりの日差しに包まれている。 広場には各貯水池の水量を示す数値が提示されていて、常日頃から市民を一喜一憂させているが、 今日は数字の回復具合を見て安堵する人が多いようだ。 広場の端がにわかに賑やかになる。 見ると、護衛の兵を数人連れた若い女性二人組が、歓呼の声に応えながら通り過ぎていく。 御子イリューシャとその女官レギーナだ。今やこのエナで彼女たちの顔を知らぬ者はいない。 それもそのはず、ここのところ、イリューシャは人々の前に姿を現すことが多くなった。 ともすれば悲観的になりがちな住民感情を盛り上げるための行動であるが、 その頻度が徐々に増していることからもエナの置かれた状況が窺える。 御子の一行は、広場を過ぎて通りから小道に入り、今回の訪問先である病院に到着した。 子どもたち:「御子様だー」 子どもたち:「イリューシャさまー」 子どもたちが御子の一行を迎える。病院のスタッフや高齢者がそれを取り巻く。 子どもの姿が多いのは、この病院で事前に動員していたという理由だけではない。 長く続く水不足により、公共の給水には使用に関する制限が多い。 よって、今はたいていの家庭で雨水を溜めて利用するようになっている。 しかし、手入れが行き届かなかったり沸かして使うことが徹底されなかったりなどの理由で 不衛生な水を飲用してしまうこともしばしば見かけられる。それがきっかけで命を落とす者も、また。 院長:「――争いが人々に与える影響は平等ではありません。 子どもたち、高齢の方、貧しい者……つまり弱者に対してより冷酷です」 院長の話に、周囲の高齢者から「そうだ、そうだ」との声が漏れる。 院長:「ここで処置が受けられる人はまだ幸せなほうであることを、どうかご理解を」 イリューシャ:「分かっているわ。 …… だから――」 少しの間が空いて再び語り掛けようとした御子を、一人の老人の声が遮る。 老人:「なら、いつになったら私らは綺麗な水を十分に使えるようになるのですかね? 先生のおっしゃる通り、犠牲になるのはいつも子どもたちが先だ。 ここには毎日のように私らの孫かひ孫のような歳の子がすっかり衰弱して運ばれてくる。不憫でならない」 イリューシャ:「それは……」 老人:「御子様がエナを解放してくださったのは、もちろんありがたいことだと思います。 それから間もなく二年、私らは苦しい生活にずっと耐えています。 元から後先長くない私らは別に構わない。だが、子どもたちにとって、ここで暮らすのが本当に幸せなのか? そう思わなくもないのです」 言葉に詰まるイリューシャ。彼女の顔をレギーナが心配そうに見つめる。 実際、誰それがラクシャクに移住したとかいう噂話はたまに耳にするし、 真偽不明の“エナ脱出者の声”は共和国のプロパガンダ放送の定番ネタでもある。 [雑談] えげつねえ [雑談] えっぐいわー [雑談] エナに向けてドデカ拡声器つかって流してんのかな…… [雑談] 奴隷扱いされながらも食うには困らない方がマシか、それとも人として食わねど高楊枝する方がマシか [雑談] そんな二択なんやろなあ [雑談] テレモ関係はパスタリアにあったのをそのまま使ってる [雑談] 文字通りの意味でメディアを押さえてるわけです [雑談] つーことはみんな家にいながらプロパガンダに染まってくってことか…… [雑談] キャさん、それ聞いてめっちゃ中指立ててそう 老人:「厳しいことを言って申し訳ない。だが、そういう思いもあることは知ってほしかった」 イリューシャ:「……肝に銘じます」 一呼吸入れて、御子は続ける。 イリューシャ:「詳しいことはここで話すことはできませんが、遠くないうちに…… 近いうちに我々は行動を起こします。それまでもう少しの間、どうか待ってほしい」 老人:「信じていいんですな?」 イリューシャ:「もちろんです。そうでなければ、私のいる意味がありませんから」 こうしてその場は収まり、およそ30分間の訪問はこの一件を除いて無事に終わった。 BGM 皇帝出陣 from ロマンシング サ・ガ2(スクウェア, 1993) Composed by 伊藤賢治 御子たちがエナ宮殿に戻るとまもなく軍議が始まった。 参加する兵には箝口令が布かれているため民間人の知る由もないが、 実のところ「近いうち」というのは、わずか4日後に迫っている。 アレクセイ:「――現時点まで、敵陣に動きはございません。したがって作戦への影響もありません」 イリューシャ:「そう。……念のため、もう一度作戦の概要から説明してくれる?」 そして、イリューシャにとっては初めての本格的な戦闘への参戦となる予定でもある。 いわゆる「初陣」は既に小規模かつ安全と思われる小競り合いの際に済ませてはいるが、 今回はある程度の危険は予想される。 アレクセイ:「それでは――」 作戦目標であるレーレの水卸は、リム最大の水源の役割を持つ溜め池であり、 リムの二大都市・エナとラクシャクの間のラクシャク寄りの場所に位置する。 スフレ軌道も通っており、平時ならばそれほど時間がかかるような距離ではなかった。 しかし現在、大鐘堂軍にとってレーレの水卸に到達するのは容易ではない。 スフレ軌道はエナの隣のベーフェフ鉱山軌線駅で車止めにより分断されていて、 しかも同地には共和国軍の基地も存在する。 一方で、陸路で鉄板砂漠の悪地形を越えるルート、 もしくはなけなしの飛空艇を投入して空路で向かうにしても、大きな障害がある。 それが「ベーフェフ対空陣地」。 エナ・ラクシャクとパスタリアの三都市を結ぶ三角形の中心近くに位置し、 起伏の激しい地形にいくつかの対空砲が設置された、共和国防空網の要である。 以上の「ベーフェフ鉱山軌線駅」「ベーフェフ対空陣地」、 この二地点を結ぶラインが現在の大鐘堂軍と共和国軍のおおよその境界線となっている。 アレクセイ:「――敵軍主力はこの2か所に集中し、後方のレーレの水卸は比較的防備が薄くなっています。 これについては最新の情報でも変わっておりません。そこで」 イリューシャ:「そこで?」 アレクセイ:「まず、一個大隊で対空陣地を攻撃。夜のうちに進軍し、夜明けと共に総攻撃を掛けます。 対空砲のいくつかを奪取し残りを使用不能にすることでラクシャクやパスタリアからの援軍を牽制。 ここまでを速やかに行えなかった場合、その時点で作戦中断となります」 アレクセイ:「順調に推移した場合は、軍用列車と飛空艇によって一個中隊をレーレの水卸に投入して制圧、 エナへの水路へ続く大水門を開放します。 そのまま占領し続けられるだけの余力があればそれでよし、 そうでない場合は水門の一部を破壊して撤退することになります」 イリューシャ:「それで、私はこっちの駅のほうの敵基地ね」 アレクセイ:「軍用列車は、詩魔法と排障器で車止めを吹き飛ばして強行突破します。帰還時も同様。 御子様の近衛部隊の役割は、レーレの水卸での作戦中に挟み撃ちにならないように敵を引き付けることです。 ……重ね重ね申し上げますが、近づくだけで十分ですので、決してこちらから攻撃することはないように」 イリューシャ:「自分からは攻撃しない、ね。了解」 こうして、イリューシャの大鐘堂は、初めての本格攻勢に出ることになった。 厳しい財政状況の中で兵の数を増やし、一年の時間をかけて準備と訓練を積み上げて、 それでもなお半ば賭けと言ってもいい難しい作戦ではある。 しかし、勝利しなければ未来はない。 それぞれの想いを胸に、運命の日を迎える―― それではここで第3話の組分けを発表します。 第1魔法歩兵大隊(ベーフェフ対空陣地) G-3-A(ベーフェフ対空陣地1) クーロン カナタ クロシドライト G-3-B(ベーフェフ対空陣地2) ノルン 沙華 ヤン 他 アレクセイ:指揮官 オーラフ:大隊本部に随行 第4魔法歩兵中隊・航空隊(レーレの水卸) G-3-C(レーレの大水門・軍用列車ルート) キャメラ ロバート ノーラ (ゼフ) 他 ブランシュ:別の組で戦闘参加 近衛中隊(ベーフェフ鉱山軌線) 他 レギーナ:イリューシャに随行 (デクスは民間人なので不参加) [雑談] さかさんとだー [雑談] おおおお 作戦の要だ 頑張らなきゃ…… [雑談] デクスくん一般人だったっけ(ど忘れ) [雑談] ちょっと石を浮かせて飛べたりするだけの民間人 [雑談] C組の(ゼフ)ってのはどういう意味でしょ? [雑談] きになってた 列車使うのにクーロンはC組じゃないのかって言うのと関連ありそうだからついでに [雑談] ゼフは列車の運転を務めます 戦闘参加するかどうかはまだ決まってない [雑談] G-3-BとG-3-Cはまだテストプレイ前なので…… [雑談] なるほどですね [雑談] で、クーロンさんを参加させてないですよね、列車のほうに [雑談] そこはあとのロールプレイの時のネタにしてもいいかな、と [雑談] なんだろうすごく不穏な気配を感じるなぁ [雑談] (メタ的には、あるイベントの関係で、クーロンさんがいない方が良かったりする) [雑談] あっ(察し) [雑談] PCsはこれまで一緒にならなかった奴らが、NPCは縁があったりなかったりする奴らが一緒、って感じか [雑談] カナタくんとクロシドライトさん=いつものって感じ [雑談] ヤンくんとノルンちゃん=愚痴をぶつけられた [雑談] キャメラとノーラさん=いんたみで説得担当 [雑談] ヤンさん話したことなかった [雑談] それぞれがどこの部隊になるかはもう本人たちは知っている? [雑談] はい、それ前提で訓練していますので知っています [雑談] じゃあ後でロバートさん! 一緒に話そうね!! [雑談] はーい [雑談] んじゃカナタくん待ってから考えましょねー ではここから「デイ・オブ・X-1」を始めます。 作戦前日、Xデイの1日前を舞台としたロールプレイ回です。 やり方は、基本はインターミッションと同様で、参加するかどうかも任意です。 ただし、今回は「舞台となる時間帯」が決まっています。 前々日 作戦前最後の訓練が行われる 前日 午前 対空陣地攻撃部隊の兵は夜まで休養 物資や車両などの最終チェック ※午後 他の兵も休養に入る 作戦前最後の軍議 ※夕方 (特になし) ※夜 対空陣地攻撃部隊が集合し出撃 目標手前のポイントに到着後、夜明けまで待機 当日 未明 他の部隊も集合して待機 夜明け 対空陣地への攻撃開始 午前 対空陣地の情勢を判断し、レーレの水卸への部隊が出撃 以上で※を付けた3つの時間帯に限定します。 (もちろん、この全部で何かしなければならないというわけではありません) 何をするか、誰と一緒にいるか、夕食に何を食べるか、夜は眠れるか…… そういったところを考えてやってみましょう。 関連するNPCの行動 アレクセイ 午後:軍議に参加 夕方:宮殿内の家に居る 夜:出撃、到着後は仮眠 レギーナ 午後:軍議に参加 夕方:ブランシュの店で夕食 夜:宮殿内の家に居るが眠れない オーラフ 午後:軍議に参加 夕方:家に戻って早めに寝る 夜:出撃、到着後は仮眠 ヤン 午後~夕方:はざま新田の実家に帰っている 夜:エナに戻りそのまま出撃 ブランシュ 午後~夜:自宅の店に居る ゼフ 午後:チェック作業の続き 夕方:ブランシュの店で夕食 夜:宮殿内の家で寝る クロシドライト 午後:兵舎で寝てる 夕方:ブランシュの店で夕食 夜:出撃 朝まで眠らない ノーラ 午後:チェック作業の続き 夕方:ブランシュの店で夕食 夜:家(宿屋の部屋)で寝る [雑談] というわけで こんな感じでやっていきます [雑談] 何も考えてこなくてよかった 縛りがうれしいんじゃあ [雑談] 午後くらいにロバートさんと話すか、それとも夜眠れなくて話すか [雑談] 夜眠れなくて詩魔法の素振りしてるとかはぼんやり考えてた [雑談] 一日の行動スケジュールでも考えるかな [雑談] クロさんとは一回話したいと思っていたけど、ヤンさんやノルンさんと話したいなぁ。話せてないし。 [雑談] とりあえず午後にゼフさんに絡みに行くのと夜中にソロパートもらうのは確定 [雑談] 色んな人と絡む時間が物理的にないから絞ってこう [雑談] ヤンはどうしようかな もしどうしても絡みたいなら夕方にはエナに戻るようにします [雑談] クロシドライトさんと「人を詩で傷つけるというのは、どんなものなのでしょう」的なお話は……したいかも [雑談] キャメラ自身も話してどうしたいかわかってない感じの話 [雑談] ロバートさんとは午後に話して、夜はソロでゲロ吐こうかな [雑談] やりたいこと:クロさんと詩と戦争の話(タイミング未定)、ほとんど顔を合わせてないノルンさんヤンさんとのご飯会 [雑談] 朝方遺書書いて、昼過ぎにみんなでご飯?ですかね [雑談] 沙華さんさえよければ、ブランシュさんとこでご飯食べるクロシドライトさんとキャメラと沙華さんで同席して、 [雑談] 戦争の話をする的なシーンをしてもいいかも [雑談] あ、それ乗った [雑談] ノルンさんとヤンさんと沙華さんは、夜に出撃前の一幕って感じで絡めそう? [雑談] 出撃前の一幕は、同じ組なら、くらいかな [雑談] 逆に言えば同じチームのキャラとは戦闘中に絡めるというわけですわよ奥さん [雑談] いやまて、夕方ならノーラさんがいるぞ…… [雑談] 夕方のブランシュの店はNPCいろいろ集まるところで設定したので…… [雑談] クロシドライトさんもいるぞ? これ午後じゃなくて夕方に全部ぶっこんだ方がいいんじゃないか? [雑談] PC組の方とは終わったあとにねっとり話そう [雑談] ねっとり [雑談] ねっとりねとねと [雑談] あ、GM質問 ウチの兄貴の話は出回ってますか? [雑談] そこはどちらでもいいです レギーナの父親のことについては、あとで出ます [雑談] よし じゃあ出回ってないことにしよう(戦闘前に絶望ロールしたくない) [雑談] クーさんのお兄さんの名前聞いたっけかな [雑談] 兄貴の名前を出したのはアレクセイさんとキャメラさんだけですな [雑談] だからキャメラがファーロンって名前を聞いたら「まじか……」ができるのだ [雑談] ノルンさんはファーロンさんの名前は聞いていません 兄がいることについてはちらっと聞いています [雑談] インターミッション2のテル族誤解のところでありますね [雑談] 同様に、アレクセイと一緒に特訓したときのメンバーも、兄がいることは聞いています [雑談] これなら覚えてても覚えてなくてもって感じかな [雑談] あの誤解は……w [雑談] よくわからないけどテル族みたいです [雑談] つーことはPCはみんな兄貴の存在を知ってるわけだ [雑談] あ、ご飯食べるの夕方です? だったらお昼に一生懸命寝るわ [雑談] あとは暇なときに暇な人に会いに行ってようかな [雑談] あー、どうしよう詳しくは考えてなかった 夜は普通に寝ようと思っていたけど [雑談] AB組は夜は眠れないぞ!! 仮眠はできるみたいだけど!! [雑談] AB組は仮眠ですね あとで出ますが、前日深夜から豪雨です [雑談] 降るのか [雑談] それはエナでも同じです? [雑談] 天気はどこも一緒ですね [雑談] 降るならソロパートで使おう [雑談] OK 描写に雨を入れる [雑談] ばっしゃーってかんじですか [雑談] ウォーシミュ特有の戦場の霧 [雑談] カナタさん、夕方にクロシドライトさんと一緒に絡みませんか [雑談] 夜にレギーナと話したいかなあ [雑談] いや待て、おれA組じゃん [雑談] カナタさんは出撃なので、話すなら夕方までに [雑談] 私と組でございます [雑談] ノルンさんは遺書書くの?w [雑談] 書きます 例のごとくお母さんあての手紙ですけど [雑談] みんなで一緒に遺書を書こう [雑談] 遺書いらないや…… [雑談] あー遺書 よしソロパートでぶっこもう [雑談] 遺書 多分書かない…… [雑談] キャメラはすでに遺書書いてあるし、中身を変えることもないのだ [雑談] キャメラ:「私の私物は大鐘堂の都合の良いように使ってください。 [雑談] もし可能であれば、私の遺髪と兄の遺髪を、パスタリアにある我が家の墓に入れてください」 で終わり [雑談] うーんシンプル [雑談] シンプルでかなしい [雑談] 悲願だからね! [雑談] 沙華は……「本を保存しておいてください。いずれ親戚が取りに来ます」とかかなあ。強いて書くなら。 [雑談] 親戚(自分) [雑談] 今大鐘堂に置いてる荷物をどうするか、くらいは書いておいた方がよさそう、 [雑談] というか書くことを大鐘堂から推奨されてそう [雑談] どうしよう……やりたいことがありすぎる [雑談] 今回のこの仕様はシーン数抑制のためでもあるので…… [雑談] 無制限だとすごいことになるからね…… [雑談] 「まずい」領域に入ってたしなぁ [雑談] ですよねー。うーん、今からソロパートガシガシうってみるか [雑談] カナタなら割と何処にでも絡みにいける気がするけど [雑談] 誰とでも絡みに行けるから困っちゃうんだよね [雑談] 午後何しようか決まらねえ [雑談] 身辺整理とか? [雑談] 身辺整理するほど物もなにもない…… BGM 遺された感情の中 from シャリーのアトリエ(ガスト, 2014) Composed by 浅野隼人 作戦前日午後。最後の軍議を終え、イリューシャとレギーナが会議室を後にした。 いつものように御子の自室に戻り、いつものように衣服を替え、いつものようにレギーナが茶を淹れる。 イリューシャ:「……」 レギーナ:「……」 以前と違うのは、二人の間に流れる妙な沈黙。戦いの前の緊張だけがその理由ではない。 両者とも、何かを言いたくても言い出せない、そんな素振りをみせる。 イリューシャ:(…… やっぱり、このタイミングで聞くようなことじゃないわよね。 いま話題に出したら、疑っているように取られてしまうでしょうから) レギーナ:(いつかはちゃんと言わなきゃいけないけど、今は…… 余計なことでイリューシャ様の邪魔をしちゃいけないし) 顔を合わせないようにしながらも、お互いに相手の様子を窺っている。 ――大鐘堂の敵である共和国の議員の中に、レギーナの父、エリック・マウィが 含まれているのが判明したのは、つい最近のことだった。 イリューシャ:(この前の病院訪問のときだって、結局レギーナとは一言も話さなかった) レギーナ:(絶対気にしてるだろうなあ……) [雑談] なんだこの空気感、最高かな? [雑談] つらそう [雑談] これはつらい…… 御子の視線をひしひしと感じながら、レギーナはティータイムの準備を終える。 レギーナ:「どうぞ」 イリューシャ:「ありがとう。じゃあ……」 ごく短いやり取りを経て、何か続けて言おうと口を開けたまま躊躇することおよそ十秒。 しかし結局その言葉は出ず、代わりに、 イリューシャ:「もういいわ。休みなさい」 レギーナ:「はい」 退室する女官を見送ると、御子はテーブルに両肘をついて頭を抱える。 BGM 砂時計は倒れない from アルノサージュ(ガスト, 2014) Composed by 柳川和樹 イリューシャ:(ああもう私のバカ! いくらなんでも、言い方ってものがあるでしょう! これじゃ突き放したみたいじゃない! ただ明日のために早めに休んでほしかっただけなのに!) ひとしきり自己嫌悪に陥るイリューシャ。 しばらく経って落ち着きを取り戻し、少し冷えてしまったお茶を口に付ける。いつもと同じ味がする。 再びレギーナのことが思い出される。どうしてこんなことになってしまったのだろうか。 この一年で三回もダイブしてもらったのが、今となっては幻のように思える。 あの時は楽しかった。いわゆる「お忍び」の外出は御子に就任してからは初めてだったし、 公務では絶対行かないような場所にも行ったし、もちろんダイブをするのも初めて。 終わった後の高揚感は、まるで彼女の持つ力が私の一部になったかのようだった。 そして、初めての詩魔法。 イリューシャ:「Wee au ga…… ……」 でも今は、口ずさもうとしても、あるいは本気で謳おうとしても、想いを結ぶことができない。 記憶が朧気な歌と同じように、思い出そうとすればするほど、詞が続かない。 [雑談] ああ…… [雑談] うわあ…… [雑談] パートナーとの仲違いによって詩魔法がうたえなくなることもままあるのだ イリューシャ:「……はあ」 ひとつ大きなため息をつき、飲みさしのお茶はそのままに、イリューシャは奥の寝室へと姿を消した。 一方のレギーナ。今日の仕事が終わったとはいえ、今の家は結局エナ宮殿の中にある。 階を一つ降りるだけで帰宅完了。当然、気分はまったく変わっていない。 レギーナ:「やっぱり、私はいないほうがいいのかな……」 父親の消息が思わぬ形で判明してから、このことを考えない日は一日だってなかった。 なぜこうなったのか、レギーナにはだいたい想像が付く。 彼女の家はこの戦乱の前から凋落傾向にあり、しかも両親には子どもが彼女一人しかできなかった。 結果的に、家の将来をレギーナに負わせることになった。 娘を御子付き女官に仕立て上げて、そのステータスによって どこか別の名家の御曹司と政略結婚させる、そんな計画があるのだろう。 そこに、他人任せではない、再興のチャンスが舞い込んできたとしたら? レギーナ:「あー、どうしよう」 考えが親のことに及ぶたび、レギーナは怒りを覚える。 やり場のない感情が、彼女の身体を部屋の中で右に左に動かす。 もうたくさんだ。家のことなんかもうどうだっていい。できれば親の計画なんかめちゃくちゃにしてやりたい。 でも、そのためには自分が女官を続けたほうがいいのか辞めたほうがいいのか、まだ判断がつかない。 そして、こんな身勝手な理由のために御子様を振り回してしまうことについても。 いっそのこと、御子様から辞めろと言われた方が、ずっと楽に―― レギーナ:「……いま考えてもしょうがないか。時期が時期だし。 とりあえず、夕食でも食べに行こう。ブランシュのとこでいいかなー」 いつものように思案を棚上げし、レギーナは部屋を後にした。 [雑談] 以上「デイ・オブ・X-1 昼」でした [雑談] 互いが互いをおもっているのに、こう、なんというか!こう!! [雑談] エモい [雑談] 一言にまとめおった BGM 出会いの森 from イリスのアトリエ エターナルマナ(ガスト, 2004) Composed by 阿知波大輔 太陽が中天に差し掛かるころ、ようやくノルンは目を覚ました。 泣きつかれた目は赤くなってしまっていたし、頭痛もする。決していい目覚めとは言えなかったが十分な睡眠はとれた。 ノルン:「大丈夫……大丈夫……怖くなんてないもん。 明日、ちゃんとお勤めを果たして、みんなで一緒にお祝いするんだ」 [雑談] ノルンさん普通の女の子してるなあ 夕食を囲む約束をした沙華さんたちにバレないように目を冷やし、そうつぶやいた。 ノルン:「おかあさんに手紙を書こう。大丈夫、これが最後になんてならない。これは遺書なんかじゃない」 震える手でゆっくりと便せんを選ぶ。 かわいらしい花のアクセントがついたシンプルな便せんを前にノルンは大きく息を吸った。 ノルン:「えっと、『お母さんへ、…… 私は明日大きな戦いに行くことになるそうです。 でもちゃんと、御子様と一緒に大きな手柄を立てて帰ってきます 戦いが終わったら生活はもっと楽になると思います。心配しないで待っててください。 ノルンはちゃんといい子でがんばります』」 にじむ視界に知らないふりをして、ゆっくりと封筒の口を閉じる。 友人たちの誰かが、名前もしらない仲間が無事に帰ってこられるか。もしくは自分が…… 浮かんだ気持ちは封筒と一緒に閉じてしまう。もう一度顔を洗って、みんなに会いに行こう。 大丈夫、ひどいことなんて起こらない。 嫌な予感を押し殺して、ノルンは身支度を整え始めるのだった…… [雑談] おわりですー [雑談] おつでしたー [雑談] お疲れ様です [雑談] まあ、ここは本気で死ぬかもしれないところですからねー [雑談] おっけー、んじゃ適当に前フリお願いします、適当なタイミングで入るんで [雑談] クーロンさんの「方針」はこっちからは見えてないので最初は適当に流します [雑談] 言いたいことがあれば適当なところで入れてね BGM Recitative from ロビン・ロイドの冒険(ガスト, 2000) Composed by 土屋暁 作戦前日午後。機械類のチェック作業は午前中までに終わらず、 ゼフ・クーロンとノーラの3人だけでまだ続いている。 今は、戦闘用軌道車の調整中だ。 高速走行と防御、そして正面の巨大な排障器を備えた、まさにこの作戦のためだけに作られたものだ。 ゼフ:「…… よし、動力系完了。異常なし。そっちはどうだ?」 クーロン:「異常ありませんね、さすが主任」 ノーラ:「この手の機械機械した機械、あたしは苦手なんだけど」 ゼフ:「うるせえ、分かるんなら黙って手伝え」 ノーラ:「というかクーロンちゃん、キミ、大丈夫なの? 夜には出撃でしょ?」 クーロン:作業は続けながら 「大丈夫ですよ。これも立派な『きゅーけー』ってやつですから。 俺としては、主任より先にノーラさんにツッコミ入れられる方が意外です」 ノーラ:「どうして機械オタクはこんなクソ真面目なのが多いんだか」 ぶつぶつ言いながら手を動かしてる ゼフ:「あ? ああ、そりゃ、クーロンを砦のほうの組に入れるように言ったのは俺だからな」 クーロン:「……ん? それ初耳なんですけど。 つーか、何で俺も“コイツ”の制作してたのに別のとこ行かなきゃなんないんですか?」 ちょっと不満気味に ゼフ:「簡単なことだ。考えてもみろ。 二人してどちらかの戦線に行ったとして、そこが壊滅して二人とも死んだ場合、 俺たちの技術は誰が継ぐんだ?」 [雑談] あーー ゼフさん…… クーロン:「あー、ダメコンですかぁ、ダメコン……でもなぁ、せっかく作ったのに……」 ブツブツ言いながら作業を続ける [雑談] ダメコン以外にたとえが思いつきませんでした 例えが分野ごとに偏るアレ的な感じ [雑談] この世界、技術は属人的な面が強いので さーしゃとか典型例 [雑談] インフェルがおっちんだりもしましたね…… [雑談] でも延命剤製造技術を後世に残したインフェル超有能 [雑談] 一番大事な部分は遺してくれてありがとうですよ本当 ゼフ:「せっかく作ったのに、か。 ……お前は、これを自分の手で壊さなきゃならなくなった時に、できるか?」 ノーラ:「あたしはできるよ」 ゼフ:「お前は関わってないだろうが」 クーロン:「んー……でき、ないです」 ゼフ:「じゃあ、できなかった結果、人が死んだとしたなら?」 クーロン:「んー……ぬおお、その質問はずるいですよ」 ノーラ:「だよねー」 ゼフ:「あー、確かにちょっと良くなかったかもしれん。 でも、しょせん機械は機械、人間のために存在するものだ。そこを忘れるな」 ノーラ:「……でも、戦争で使う機械ってどうなの?」 ゼフ:「……」 ノーラ:「人殺しに使われるなら、同じことじゃないの?」 ゼフ:「それは、だな……」 言い淀む クーロン:「……その言い方もよくないと思います、ノーラさん」 ノーラ:「そう? その点、クーロンちゃんはどうよ?」 クーロン:「まぁ、俺たちが作ってる機械は、確かに人殺しの道具なのは間違いないんですけど…… なんつーか、用途がそうなだけで……えーと、殺したくて作ってるわけじゃないから、 そう、『ないと困るモノ』ですから。刀とかでズバっていくより、こういうのを使った方が、マシ……なのかなぁ」 [雑談] 道具の価値を決めるのは人間なのです(補足) ゼフ:「…… さあな。じゃあ、ノーラはどうなんだ?」 ノーラ:「誰かを幸せにするならいいんじゃない? だって、あたしの作品はいつだって人を幸せにするものばかりなんだから!」 ゼフ:「お前な…… 義肢の研究ばっかり先行しやがって」 ノーラ:「いいじゃない別に」 クーロン:「あー、俺も今回の作戦が終わったらテレモバラしたい……」 ノーラ:「というか辛気臭い話している暇あったら、手を動かしなさいよー!」 ゼフ:「はいはい……」 [雑談] そろそろネタが尽きてきた [雑談] 話したい内容はこんな感じで大丈夫でした? クーロンさん [雑談] 必要条件はok 120点 [雑談] 意外な掘り下げもあってよかった 一人じゃとてもできない ゼフ:「とにかく、クーロン、死ぬなよ。そのためにこうしたんだ」 クーロン:「……了解です。主任も、ダメコンとかも大事ですけど、ちゃんと帰ってきてくださいよ? まだまだやることいっぱいあるんですから」 ゼフ:「ま、そう簡単にくたばりゃしないさ」 ノーラ:「なにそれ? フラグ? フラグ?」 ゼフ:「本気で縁起でもないからやめてくれ……」 クーロン:「ノーラさんもふらっとどっか行かないで、ちゃんと帰ってきてくださいね?」 ノーラ:「あたしは大丈夫でしょ」 クーロン:「……まだ時間もあるし、もうちょいやってくか」 結局、三人がかりのチェック作業は夕方手前まで続いてしまった…… [雑談] ありがとうございました! [雑談] おつですー [雑談] ありがとうございましたー! [雑談] こっちの意図はそのダメコンのところだけでしたが、 [雑談] 人殺しの機械の話もできてよかった [雑談] そこ! ほんとナイスGM [雑談] 状況的にはどうしましょうか [雑談] 1.街を散策しているよ 2.訓練場にいるよ 3.その他 [雑談] あー状況…… [雑談] わりと現れようと思えば何処でもPOPするからなぁ…… 訓練は重要だし [雑談] あと家出た理由いろんなところ見たいだから [雑談] とりあえず訓練場にいるってことにしましょうか そのテイで前振りしますかね [雑談] はーい BGM Female Turbulence from 聖剣伝説3(スクウェア, 1995) Composed by 菊田裕樹 その日の午後の兵舎は、常よりもはるかに浮き足立っていた。 最後の調整を行う兵士たちでごった返す訓練場の片隅で、キャメラは同チームとなったロバートの姿を探す。 キャメラ:「ロバートさーん? 居ますか?」 ロバート:「いるぞー、何か用か?」 キャメラ:「よかった、見つかりました。ごきげんよう…… ええ、今回の作戦で、私と貴方は同じチームになったじゃないですか。ですから、一緒に最終調整とかしたいな、って」 ロバート:「確かに何をするにも息があってないと上手くいかないしな…… とはいえ攻撃を通さないようにするぐらいしか俺にはできないが」 キャメラ:「貴方に関しては、その防護力なら右に出る者は居ないと聞き及んでいます。 ……実際、どれくらいの距離までならカバー出来るのですか?」 [雑談] 女神の盾のかばう射程∞ってどういう原理だろ [雑談] さあ? [雑談] そしてそれをどう言うべきか……w [雑談] そりゃ、こう……女神ーっってかんじの神々しい盾 [雑談] 1.攻撃の根元から叩き落としてるよ 2.守る時だけ速度無限になるよ [雑談] 3.めっちゃ光り輝いてそっちに注意が向くよ [雑談] あー挑発っぽい形式はありそう [雑談] 悟られずに移動してるから実質無限説 [雑談] 戦場中をかばうことができるのは完全に化け物だと思う 盾のデータ組むたびに思うけど ロバート:「目視であれば何とか届く、というか注意を向けさせる事はできる感じか……? 地形が入り組んでいたりでもない限りは、基本的に距離は気にしなくて大丈夫だ」 キャメラ:「まぁ……」 驚いて口元を押さえて 「それは心強いですね。 となると、私は移動力より防御力の補助をした方が役立つかもしれませんね。 貴方のような方が居てくださるのならば、私も安心して謳い続けることが出来るというものです。 ……私は一度謳い始めると、それ以外のことが出来なくなってしまいますから」 ロバート:「レーヴァテイル、だったか。詩魔法使いはそれを補って余りある戦果が出せるんだから、 何もできないとか気にすんな、分業だ分業。なんでもできたらこっちの立場が無くなってしまう」 キャメラ:「ふふふ……そう言っていただけると、私も気が楽になります。 貴方にそれだけ能力があるならば、戦術は結構自由に組めそうですね」 [雑談] 午後の部は明るく明るくやっておきたい(こしらえたソロパートがグロ重くなったので) キャメラ:「私の魔法のスペックだけ、ちょっとクセがあるものが多いのでお伝えしておきましょうか」 と、一通り使える魔法の中身を説明した後、 キャメラ:「……これ以上の戦術は、貴方が守って私が撃つ、以上のことは打ち合わせ出来そうにありませんね。 実際の状況を見てみないと」 ロバート:「敵の特性によっても有効戦術は変わるし な……」 キャメラ:少しの間があって、 「……私たちが向かうのは、作戦の要です。 他の皆が上手くいっても、私たちが失敗すれば、元の木阿弥。 正直、大分プレッシャーを感じます。その辺り、ロバートさんは大丈夫ですか?」 [雑談] あ、ついでに言っておこうかな 第3話、全組にPCエネミー出ます [雑談] なるほどですね 向こうもヒサツ=ワザ使ってくると [雑談] 沙華も普通に会話して内心「??」って思ってます [雑談] キャメラはGルートいくので よろしくな [雑談] 今話、ひとをころす [雑談] 楽しみだなぁ [雑談] デュエルスタンバイ! ロバート:「大丈夫と言ったら嘘になるが…… 必要以上にプレッシャーに捕らわれてミスする方が怖いからな。 こういう場面では悩みすぎる方が逆に危ないぞ。 負ければ確かに全てが水の泡だが、勝てばそれだけこの戦争の勝利につながるんだ」 キャメラ:「まぁ、まぁ……ふふふ、そこまで覚悟を決められるなんて、凄いですね。 私も見習わないといけませんね。……ええ、これまで通り、訓練通り、戦術を組み立てて、遂行して、勝つのです」 キャメラ:「私はそろそろお暇しましょうかね。ロバートさんも、部屋の整頓くらいはしておくんですよ?」 ロバート:「元々流れだ、荷物は常に最低限よ。 ……とりあえずエレミア人の話を聞いて胸糞悪さしか残らなかったからな、生命を弄ぶのは禁忌の領域だろうが…… 絶対負けるわけにはいかない」 [雑談] エレミアン相手に慈悲は無い…… キャメラ:そのロバートさんの声音を聞いて、少し沈黙した後、 「……ええ。その通りです。奴らにこのメタ・ファルスを明け渡すわけにはいきません。決して……」 ロバート:「……さて、こう暗くなりすぎてもいかん。いくら護るだけとはいえ、ある程度の連携を確認しておくか」 キャメラ:「んん、そうですね。でしたら、例えば──」 って感じで連携を煮詰めたよーって感じで〆ていけますかね? [雑談] カナタさん話しますー? [雑談] いいですよー! やりましょやりましょ どんな話にしましょうかねー [雑談] カナタはクソテンションで突っ込めるので [雑談] 沙華は戦争でテンションがちょっとおかしい可能性。 [雑談] どんなのやりますかねー。ぼーっと詩魔法未満の詩を歌ってる図しか思いつかないぞ [雑談] あー。詩魔法の話をしにいきましょうか。こんな中でもいつも通りのカナタをみせよう [雑談] ま、それでももんだいなし! じゃあ詩魔法使いたいなー! って聞きに行こう [雑談] 詩魔法の仕組みを聞きに行くでもいいか [雑談] 想いisぱわー [雑談] いつ話しますかねそういえば。午後今から? [雑談] 午後開いているので、良ければ。 [雑談] いやあ、危ない。クロさんを起こしに行くところだった [雑談] 起こしに行ったら魔法飛んできそうですよ [雑談] わかる。でもめげないしょげない 仮眠を取りたくても中々寝付けなかった沙華は、一人ぼんやりと歌を歌っていた。 沙華: 「Xc=fNwNrE 1 olo - zz fUwUrN ayulsa olo/. (ひとひこそ まちよかるながきけを かくのみまたば ありかつましじ) zz wNsU olo hers, xN rre revm pak nNiN/. (うつつには あうよしもなかりければ ゆめさえもやがて ちるべし) /xN qejyu ag dNzN/ (かくしてそ ひとはしぬといふ) mAaNmN zz d.z. mea/. (かくだにも われはとだえぬ) zz aUuUkU, zz fIwUr, zz dNzN...」 (わすれとだえてきえうせたくとも……) [雑談] とぼーっとしていたところに声をかけられたって感じですかね [雑談] はーい [雑談] うわ本気で詠唱してる すごい [雑談] メタなこと言うと3話用に作ってボツになった方をリサイクル。 [雑談] 沙華とカナタさんってどっか決定的にあわない気がする。話すの楽しいけど、こう、スタンスと境遇的な意味で。 [雑談] そうですねえ スタンスと境遇は本当にわかる カナタ:「でもさ、沙華さん。それでも生きているっていいことだと思うぜ」 と、軽い感じで声を掛けます [雑談] なにげなくヒュムノスを理解するカナタ君、勉強の成果 [雑談] 中央正純律ならともかく、パスタだからなあ どないしてべんきょうしたんじゃろ [雑談] パスタって使えるってわかったらIPDだー!ってされるやつですからね [雑談] いや、そもそも辞典なんてないでしょうし [雑談] まぁ大鐘堂にも無自覚IPD結構いるだろうし、そういう子たちからちょっとずつ習ったって感じかなあ [雑談] 言語は ヒアリング→反復→単語を文章化→頑張るみたいな覚え方のカナタ君 カナタ:「なんたって楽しいことがいっぱいだ。いろんな人と知り合えて、いろんなことが待ってるしな!」 沙華:「……あぁ、カナタさん。 生きてることは、いいこと……ええ、確かにいろんな人と知り合うのは、いいことだと思うけれど」 カナタ:「なんだよ、歯切れわりーな! ほら、笑顔笑顔!」 背中をタンタンと叩き 「沙華さんの笑顔で元気になる人、いっぱいいるんだぜ?」 沙華:「そう? うーん、それじゃあ笑ってみようかな。 ……というかさっきの詩、なんて言ってるかわかってたみたいだけど……勉強でもしたの?」 カナタ:「よくぞ! よくぞ聞いてくれた! 沙華さん! オレはヒュムノスを勉強したんだ!!! 色々な人に迷惑をかけながら! 時にはドン引きされながら!」 沙華:(具体的に何をやらかしたんだろう) カナタ:「まあ、実際はなんか急にわかるようになったんだけどな。 勉強もしたんだけどさ」 ははは、と笑いながらよいしょと腰を下ろします。 [雑談] 沙華の詩の現代語訳、リクエストあればここに公開できます一応 [雑談] そりゃリクエストしないわけがないでしょう [雑談] リクしたい 沙華:「沙華たちレーヴァテイルは、自然と読んだり謳えるようになるから…… そうじゃない人の勉強なんて、想像つかないわ」 カナタ:「聞いて、繰り返して、文章にして、学ぶんだよ。なんとか語と同じで簡単だからさ」 沙華:「なるほど、ねぇ……あぁああちょっと恥ずかしくなってきた……ヒュムノスで謳えばバレないと思ったのに……」 カナタ:「とはいっても、単語とか文章的にはわかるけど完全に意味が分かるわけじゃないんだぜ? 人によっても文章や単語だけで意味が変わってくるし。 ……えっと、忘れてたほうがいいか、さっきの」 沙華:「ちょっと恥ずかしいかなぁ……」 と真っ赤になってます カナタ:「あ、あー! いやほら! 恥ずかしがらせたくて勉強したんじゃないんだぜ!? これでオレも、もしかしたら詩魔法使えないかって思ってさ!」 沙華:「うーん、レーヴァテイルになるっていうより、月奏になるって感じになりそう……? 男のレーヴァテイルなんて、聞いたことないし」 カナタ:「沙華さんもかー! ノルンも男のレーヴァテイルはみたことも聞いたこともないって言っててさ。 博識な沙華さんでもそういうなら、その『月奏』ってのを目指すべきか、むむむ……」 沙華:「むかーし昔から、“レーヴァテイル”っていうと女だね。やっぱり」 カナタ:「あー、そうなのか。 『伝説のスーパーレーヴァテイル』みたいになれるかとおもったんだけどなー! まーそれはアニメの世界かー!」 と叫んでごろんと身体を倒し、空を見上げます 沙華:「まあ、本当に男性のレーヴァテイルがいたら、謳って殴れるから強そうなのよね」 カナタ:「それ、ただ詩で身体を強化してるだけなんじゃないのか……?」 [雑談] 謳って殴れる [雑談] ミュートかな……? 沙華:「でも、こう(身振り手振り)謳いながら突っ込んで、至近距離でどーん!ってできたら強そう」 カナタ:「たしかに! ……それ、ある意味諸刃の剣だよな。 だってそのあとすぐ死にそうだし」 沙華:「あ、言われてみると」 カナタ:「まあ、耐えきれたらの話だけどなーっと、なあ、沙華さん」 沙華:「?」 カナタ:「沙華さんが抱え込んでるものがなにかは、わかんねーけどさ」 身体を起こしたカナタが沙華をじっと見つめながら言います。 「きっと、とっても重くて、とっても大切なものなんだとは思うんだ。 でもさ、一つだけ、これだけ言わせてくれよ」 沙華:「……何かしら」 と真面目な顔になります [雑談] 転生し続けるからこそ…… カナタ:「オレ達、皆沙華さんの仲間だ。いつかいなくなったとしても。消えてなくなったとしても。 ずっとずっと、詩になって廻り巡る。だから―― あー……うん。 沙華さんは『ひとりぼっちじゃない』って覚えておいてくれ! それだけだ!!」 だってなんか寂しそうだったし、とか言いながら恥ずかしいのか徐々に顔が赤くなってます。 [雑談] かわいいなあカナタさん [雑談] カナタも自分がいつ消えるかわかんないですから! 言いたいこと言っておかないと 沙華:「……うん。そう、ね。そうね……そうよ、『みんな』を、私は……ええ、ありがとう。その言葉、覚えておくわ。 ここはいつでも騒がしいから。だから私、寂しくなんてないわ」 カナタ:「……そっか。それなら、よかった!」 にっと笑ってがばっと立ち上がります。 カナタ:「沙華さん、腹減った? いい時間だし、ブランシュ先輩のとこに晩飯食いに行かないか?」 沙華:「そうね、私もそろそろご飯食べたいし……うん、一緒に行こう」 と彼女も立ち上がります。 カナタ:「あ。そうか、思い出した。沙華さん!」 沙華:「なぁに?」 カナタ:「この間の小説の主人公のセリフ、めっちゃ格好良かった!」 沙華:「ふふ、ありがとう」 カナタ:「“また”読ませてくれよな! まだまだ楽しい話、知りたいんだ!」 沙華:「ええ。続き、楽しみにしててね」 カナタ:「おう!」 [雑談] 前回沙華さんが『あ、これ小説のネタにしよう』って言ってたセリフがどれかわからなくなったため [雑談] お茶をにごす [雑談] よし現代語訳まとまった [雑談] !? まさか……現在進行形で紡いでらっしゃった??? [雑談] いやちゃんと現代語訳用意してなかったから見やすく用意しなおしたってだけです今紡いではないです! [雑談] 沙華さんならヒュム先の日本語訳が後もありえるとちょっと思ってしまったので [雑談] あ、驚いた。リアルタイムでやれるんじゃないかとちょっとビビりました [雑談] わ、私日本語先型の紡ぎ方ヨー? やめてねハードル上げないで! [雑談] (ヒュ先も結構あるマン) 一日なら待つこともたやすいことでしょうが、こんなに長く待つ日々はとても耐えられません。(ひとひこそ~ありかつまじし) 現には会う術はないのですから、やがてこの夢も散ってしまうでしょう。(うつつにも~ちるべし) 「こうして人は死ぬ」というのですね。(かくしてそ~) それであっても私は途絶えないのです。(かくだにも~) 忘れて、途絶えて、消え失せたいのに……(わすれとだえ~) [雑談] エモい [雑談] すこ [雑談] 自分もやったことあるけど、擬古文ヒュムノスいいよね [雑談] うん 私がやると似非にしかならないからあんまりやらないけど…… [雑談] 沙華のイメソンになりそうな曲の歌詞が擬古文というかほぼ古文で、 [雑談] もじって遊んでるうちについ紡いでしまいました [雑談] ベクトル違ってよき [雑談] ついやってしまったノリでこれかぁ すげぇ [雑談] 8割元ネタの歌詞なのであんまり言わんでくれ…… [雑談] ぐぬぬ、歌詞を解釈違いしてしまったのでは? [雑談] むしろその方がまだヒュムノス勉強中みたいな感じがしていいかとw [雑談] 見てあの台詞かと思ってた……あってますよ…… [雑談] よかった インターミッション2(その1 その2 その3)<<前 デイ・オブ・X-1(昼 夜) 次>>第3話:3-A(前半 中盤 後半) 3-B(前半 後半) 3-C(前半 中盤 後半) プレイヤーキャラクター一覧へ
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【異世界のあそこ】 クルスベルグより西、エリスタリアの北。雪と寒波で覆われる山脈を越えて西へと進む。 質量を持つ異質な雲を冠する山の壁伝いに寒暖目まぐるしく変わる霧の中を更に西へと進む。 凡そ生物にとって生を維持するのに難しい気候の真っ只中に差し掛かると一帯の種族や生物、植物の特徴として無機物、鉱物を主な体組織としているものが多く見受けられる。 この地を調べ進む者達にとって『壁』となるのが『食糧調達の難しさ』である。 何せ火を通したところで食べれるものがほとんどないのである。石や鉄が食べれるか?と問われれば鬼人くらいが頷くくらいだろう。 西へ進むにつれて環境は更に苛烈さを増し、炎の雷が絶えず空より落ちてくる山山山の地になる。 その地の西の向こうには、未踏破地帯でも特に危険とされるこの世の地獄が広がっているという。 なのでその未踏破を背にする山の地は『地獄門』とも呼ばれるのである。 クルスベルグの古い言い伝えでは、巨人の住まう地とも鍛冶神の創造せしものタイタンの墓場とも言われている。 何の人もいないであろうと思われてる地であるが、この様な環境に適応する種族が存在するという。 石の様な見た目の体はとても小さいが、反面で歩けば地を凹ませるほどの重量を持つ小人。 炎雷の降り注ぐ中を鋼匠でも製造できるかどうか分からない超高々密度の鉄傘をさして移動する。 体の全てが重いせいか、彼らが口を開き言葉を発するのは、その長い一生の中で数度と言われている。 運よく彼らと遭遇し、「西の果てまで案内して欲しい」と頼めば彼らは思ったよりもアッサリと承諾してくれるのだ。 しかし彼らが差し出す傘を持ち歩くことができなければついていくことはできない。 これで西の果てまで行けるのでは?と思われるのだが、現実はそう甘くはない。ましてその地は辺境の最果て。 エリスタリアから使命を受け多大な犠牲を払いつつもこの地に辿り着き未踏破領域に迫った強靭なエルフと樹人の一団の前に地獄門の『番人』が立ちはだかったという。 強者が次々と倒れる中で唯一人の旅エルフ、イシナ・ゲンジョがその番人を目撃し一枚の強靭無比な鱗を持ち帰ったのである。 石小人曰く、西の果ての前に位置する山脈を『キンバイ』と称し、その地を悠然と闊歩し視界に入る動くもの全てを喰らうという大悪獣の巣なのだと。 山と同じく巨大な体ながらも研ぎ澄まされた捕食者の本能は動体に向けて硬質の鱗を飛ばし攻撃してくるという。 炎雷、大悪獣を越えて地獄門を越えたものは未だにいないとされているが、エリスタリアは秘密裏に調査隊を派遣し続けていると噂されている。 スレでの『ダイスを振って主要国以外の地を想像してみよう』という企画で出たネタをまとめてみました。(2017年11月25日 2スレ目) 食糧確保困難きついなぁ。イシナがどうやって鱗ゲットして戻ってきたのか気になる -- (名無しさん) 2017-12-05 03 56 41 ヘルモードに突入する前のベリーハードモードみたいな土地だ。およそ生物の生存を受け入れる余地のない土地 -- (名無しさん) 2017-12-18 19 21 12 名前 コメント すべてのコメントを見る
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デイジーダック 名前:Daisy Duck デビュー:『ドナルドのダンス大好き』(1940年) 概要 ドナルドダックのガールフレンド。怒りっぽいドナルドとは対象的に落ち着いた女性のダック。キュート系のミニーマウスに対し、セクシー系のキャラクターとして位置づけられている。ピンクのリボンがトレードマーク。 短編映画への出演は意外と少ないが、後のシリーズで大幅に優遇され、ディズニーの重要なキャラクターとなった。 コミック『Flip Decision』からは姪のエイプリル*、メイ*、ジューン*が登場。『ドナルドの日記帳』(1954年)では、デイジーの両親が登場している。 『クワック・パック』や『ドナルドダック デイジーを救え!*』などでは、TVレポーターとして活躍している。『ハウス・オブ・マウス ミッキーとディズニーのなかまたち*』では受付を担当。『ミニーのリボンショー*』では、ミニーのブティックを手伝っている。 デビューから1950年代まで デイジーの前身にあたるキャラクター、ドンナ・ダックは『ドナルドのメキシカン・ドライブ』(1937年)にて登場。 デイジーとして登場したのは、『ドナルドのダンス大好き』(1940年)から。短編アニメーション時代にはドンナ時代を除き、11本に出演。 エピソード ミッキーのクリスマスキャロル エベニーザー・スクルージ(スクルージ・マクダック)の青年期のガールフレンド、イザベル役を演じる。 フェジウィッグ氏*(トード氏)のもとで働いていたスクルージとダンスパーティーで出会い、恋に落ちる婚約に至る。しかし、スクルージの仕事が軌道に乗ってくると、彼はお金に固執するようになってしまう。そしてある冬の晩、イザベルはついにスクルージの元を去る。 クワック・パック テレビ番組の人気レポーターとして働いており、カメラマンでボーイフレンドのドナルドダックや、彼の甥ヒューイ、デューイ、ルーイとともにスクープを求めて騒動を巻き起こすこともしばしば。ナックルズという青いイグアナを飼っている。ヒューイたちの母親のように彼らを見守り、時にはあてにならないドナルドより彼らを信頼することもある。上司のケント・パワーズから気に入られている。本作のデイジーは大人っぽいヘアスタイルに胸が強調されたデザインとなっており、本作のみ例外的にキャス・スーシーが声を担当している。 ミッキーのクリスマスの贈りもの 第1話「ドナルドのクリスマスは大変だ!」に登場。ヒューイ、デューイ、ルーイが「クリスマスがずっと続いたらいいのに」と願って眠りにつくと、なんと再び同じ朝が訪れていた。クリスマスのループが繰り返され、何が起こるかを把握した三人はいたずらを仕掛ける。いたずらがエスカレートし、めちゃめちゃになった部屋からドナルドダックとデイジーダックの心温まるカードを見つけた三人は悔い改める。 次のループでは改心したヒューイ、デューイ、ルーイは良い子になり、クリスマスのループは終わりを告げた。 映画のフィナーレでは仲間たちと合唱する。 ファンタジア2000 『威風堂々』に登場。 ミッキー、ドナルド、グーフィーの三銃士 フランス*のお姫様ミニーマウスの侍女を演じる。夢見がちなミニーとは対象的に現実的な性格ではあるが、彼女の世話に手を焼いており流されてしまうことも。デイジーはドナルドを恋愛対象外として見ていたが、物語を通して成長したドナルドと距離が近くなっていく。 ミッキーマウスのワンダフル・ウィンター 第3話ではスケートを楽しんでいる。 ミッキーマウスのワンダフル・スプリング 第1話では植物に扮したデイジーが仲間たちと音楽を演奏する。第2話ではハチに襲われるドナルドを見てそっとその場を去る。 ミッキーマウスのワンダフル・サマー ミッキーマウスのワンダフル・オータム ミッキーが行方不明の先祖カルペッパー・J・マウスから屋敷を相続したため、管理のためにミッキー、ミニー、ドナルド、デイジー、グーフィーは現地へ向かう。近くの村の収穫祭でカルペッパーが厄介者であることを知った一行は、立派なカボチャとメイプルシロップを作って見返そうとするが肥料やりがエスカレートし、巨大なカボチャのモンスターを生み出してしまう。ミッキーも肥料で巨大化しモンスターを倒して村のヒーローとなった。 蒸気船シリー ミッキーの家で『蒸気船ウィリー』を上映していると、フィルム・リールからいたずら好きなモノクロ・ミッキーが大量に飛び出してきて町へ向かってしまう。手を焼くミッキーたちだが、「ミッキーマウス・マーチ*」でモノクロ・ミッキーたちの気を引くことに成功し無事にフィルムに戻すことに成功するのだが…。 その他 『ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出』では、集合写真撮影でグーフィーがカメラを壊したことに残念がって戻ろうとしていたところ、アラナデールが演奏し始めた「星に願いを」を耳にして足を止める。 ゲーム 『ドナルドダック デイジーを救え!*』では、魔法使いマーロック*によって攫われてしまい、ドナルドが彼女を救い出すことがゲームの目的となる。 デイジーを操作することができるパーティーゲームは、『ディズニーのマジカルパーク』『ミッキーのポケットリゾート』『ディズニー・シンク 早押しクイズ』などがある。『ディズニースポーツ*』シリーズではメンドリたちのチームであるベルズ*のキャプテンとして登場。高いアジリティを誇る。 Kinect ディズニーランド・アドベンチャーズ デイジーはグリーティングキャラクターとして登場。「メインストリートUSA」と「ミッキーのトゥーンタウン・フェア」に出現する。ミニーとデイジーは、トゥーンタウンの市長選に向けたデコレーションの依頼をしてくる。また、市長選での結果発表も務める。 ディズニー スピードストーム 2023年8月1日に開始したシーズン3から登場する「ミッキー&フレンズ」のレーサー。タイプはトリックスターで、レアリティは「コモン」。所有スキルは「ショット」「クローク」「ハック」「ラッシュ」。そのうち「ショット」と「ハック」はレーサーがスターアップすると強化される。 ユニークスキル「センターオブアテンション」の効果は下表の通り。専用クルー「エイプリル*、メイ*、ジューン*」によって強化することができる。 ノーマル 一定時間、ヒット1回から守られる。攻撃されると一定時間、怒りの声を上げて前方にダッシュし、広範囲にいるすべてのライバルをスタンする。 チャージ 一定時間、突然怒りの声を上げて前方にダッシュし、広範囲にいるすべてのライバルをスタンする。 KH デイジーはディズニーキャッスルの王宮魔道士ドナルドダックのガールフレンドとして登場。 キングダム ハーツ 世界の異変に気付いて旅に出た不在の王様ミッキーマウスの書き置きに従い、ドナルドダックとグーフィーをキーブレード使い探しの旅に送り出し、王妃ミニーマウスとともに留守を守っている。 キングダム ハーツII 王様の留守をミニーと守り続けている。1作目の冒頭以来、久しぶりに帰ってきたドナルドにデートの約束が無くなってしまったことを怒っていた。 キングダム ハーツ バース バイ スリープ フェスティバルを実施しているディズニータウン*に登場。 テーマパーク 「ミッキーマウス・レビュー」では、チェロを演奏していた。 NHK紅白歌合戦出場履歴 第45回(1994年) ワンマンズ・ドリーム* 第62回(2011年) 星に願いを、小さな世界 第63回(2012年) ビビディ・バビディ・ブー、ジッパ・ディー・ドゥー・ダー 第66回(2015年) 星に願いを 第71回(2020年) 星に願いを、小さな世界 第73回(2022年) ジャンボリミッキー!*、君の願いが世界を輝かす* 登場作品 1930年代 1937年 ドナルドのメキシカン・ドライブ (前身) 1940年代 1940年 ドナルドのダンス大好き 1941年 ドナルドのゲーム、ゲーム、ゲーム(カメオ出演) ミッキーの青春手帳(カメオ出演) 1943年 ドナルドの軍隊行進(カメオ出演) 1945年 ドナルドの罪の償い 気みじかドナルド 1946年 ドナルドのそっくりさん ドナルドの命びろい(カメオ出演) 1947年 ドナルドは夢の中 ドナルドのジレンマ 1948年 ドナルドの夢の声 1950年代 1950年 ドナルドはデイジーに首ったけ 1954年 ドナルドの日記帳 1970年代 1971年 ミッキーマウス・レビュー ※マジック・キングダム 1980年代 1983年 ミッキーのクリスマスキャロル 1987年 ★Down and Out with Donald Duck* 1988年 ロジャー・ラビット(カメオ出演) ドナルドダック (ゲーム) 1990年代 1990年 ★Mickey s ABC s A Day at The Fair ★Mickey s 123 s The Big Surprise Party 1992年 アイラブミッキー&ドナルド ふしぎなマジックボックス ミッキーマウスの魔法のクリスタル 1993年 ミッキーマウスV 魔法のステッキ 1994年 ★Mickey s Ultimate Challenge ミッキーの東京ディズニーランド大冒険 1995年 ミッキーとドナルド マジカルアドベンチャー3 1996年 クワック・パック 1998年 マジカルテトリスチャレンジ featuring ミッキー 1999年 ミッキーマウス・ワークス* ミッキーのクリスマスの贈りもの テトリスアドベンチャー すすめミッキーとなかまたち 威風堂々 ファンタジア2000 2000年代 2001年 ハウス・オブ・マウス ミッキーとディズニーのなかまたち* ミッキーのマジカル・クリスマス 雪の日のゆかいなパーティー 2002年 キングダム ハーツ ディズニースポーツ:サッカー ディズニーのマジカルパーク ミッキーの悪いやつには負けないぞ! ディズニースポーツ:アメリカンフットボール ディズニースポーツ:バスケットボール* 2003年 ミッキーのポケットリゾート ミッキーとドナルドのマジカルクエスト3 2004年 ミッキー、ドナルド、グーフィーの三銃士 ポップアップミッキー すてきなクリスマス* 2005年 キングダム ハーツII 2006年 ミッキーマウス クラブハウス* 2008年 ディズニー・シンク 早押しクイズ 2010年代 2010年 キングダム ハーツ バース バイ スリープ ディズニー エピックミッキー ミッキーマウスと魔法の筆 2011年 ミニーのリボンショー* Kinect ディズニーランド・アドベンチャーズ 2013年 キングダム ハーツ キー(カードのみ) ディズニー マジックキャッスル マイ・ハッピー・ライフ LINE ディズニー ツムツム(ツム) 2015年 キングダム ハーツ ユニオン クロス(メダルのみ) ディズニー マジックキャッスル マイ・ハッピー・ライフ2 2016年 ディズニー マジックキングダムズ Disney クロッシーロード 2017年 ミッキーマウスとロードレーサーズ* 2018年 三人の騎士の伝説 2019年 キングダム ハーツIII 2020年代 2020年 ミッキーとミニーのランナウェイ・レイルウェイ ※ディズニー・ハリウッド・スタジオ ディズニー ソーサラー・アリーナ ※2020年10月追加 2022年 ミッキーマウスのワンダフル・ウィンター(カメオ出演) ミッキーマウスのワンダフル・スプリング ミッキーマウスのワンダフル・サマー ミッキーマウスのワンダフル・オータム 2023年 ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出 蒸気船シリー ディズニー スピードストーム ※シーズン3(2023年8月) 声 クラレンス・ナッシュ(1937年~1940年) グロリア・ブロンデル(1945年~1950年)ルース・クリフォード(1947年、1948年) ヴィヴィ・ジャニス*(1954年) ジャネット・ウォルドー*(1974年) パトリシア・パリス(1983年) トニー・アンセルモ(1987年) キャス・スーシー(1996年~1997年) ダイアン・ミシェル*(1998年~2000年) トレス・マクニール(1999年~)ルシー・テイラー(1999年) デブラ・ウィルソン(2022年~) 広瀬みさ(1960年代:日本コロムビア版レコード) 後藤真寿美(1984年~1988年頃:ビデオ(旧録版)) 土井美加(1989年~)
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クイズ 世界はSHOW by ショーバイ!! 機種:AC 音楽:古川崇? (Blastman.F (*1)) 音響効果:八木下直人 & ZUNTATA 開発・発売元:タイトー 発売年:1994年5月 概要 タイトーが1994年に発表した、同名のクイズ番組を題材としたアーケード用クイズゲーム。 (番組中で使用されていたミリオンスロットの開発をタイトーが担当していた。) 複数人プレイでは本家さながらにショーバイマネーを競い合うことが出来、最大四人までの同時プレイが可能。 なお、1992年にタカラから発売された同名のゲームボーイ作品とは別物。(*2) 音楽担当としてはBlastman.F氏がクレジットされている。 4種+αのクイズBGMに加え、各種ボーナスゲームに個別に用意されたBGMなど、多種多様なサウンドが楽しめる。 ボイスはタイトー社員が主に担当 (*3) しており、ボーナスゲームの開始・終了の掛け声は小倉久佳氏が担当していると思われる。 特に、1992年に発表された同社の『ゴキデター』をモチーフにしたと思われる「ゴキ出た!」では、特殊なボイスが再生される。 (タイトークイズゲーム 前作:クイズ クレヨンしんちゃん 次作:クイズシアター 3つの物語) 収録曲 (仮曲名) 曲名 補足 順位 タイトーロゴ CMなどで使用されていたロゴジングルで、制作者は不詳 PUSH BUTTON ゲームスタート ミリオンスロット オープニングではオープニング~オープニング絵クイズ説明から流れる クイズBGM 1 オープニング絵クイズ #1選んでジャンルクイズ #1グラフィッククイズ #1 ステージクリア 早く!早く!解答クイズのノルマ達成!!でも使用 ステージリザルト~マップ ジャンルセレクト / 絵クイズセレクト ボーナスゲーム前トーク エンディングトークでも使用 ボーナスゲーム選択 ボーナスゲーム「猿まね」 ボーナスゲーム「ゴキ出た!」 ボーナスゲームクリア~マップ ボーナスゲームリザルト表示(ライフ回復なし)~マップ ボーナスライフ回復~マップ ボーナスゲームリザルト表示中にライフ回復となった際に再生 クイズBGM 2 文章クイズ #1選んで絵クイズ #1文章クイズ #2選んでジャンルクイズ #2 賞品スロット ボーナスゲーム「カニカキ拾い」 ボーナスゲーム「木登りブタさん」 早く!早く!解答クイズ 早く!早く!解答クイズ ノルマ未達成 クイズBGM 3 文章クイズ #3くねくね絵クイズ文章クイズ #4グラフィッククイズ #2 ボーナスゲーム「カメレオンパックン」 ボーナスゲーム「猫に食事を」 クイズBGM 4 文章クイズ #5文章クイズ #6 最終ステージ 開始ジングル ショーバイクイズ オールステージクリア ラストスロット 最終結果 優勝賞品~エンディングトーク 旅行セレクト スタッフロール 今日の売上げNo1 (ネームエントリー) オールクリアゲームオーバー コンティニュー ゲームオーバー
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No.58 炎圧鬼バーナー・バイサー(アニメ) エクシーズ・効果モンスター ランク4/炎属性/炎族/攻1000/守1000 レベル4モンスター×2 このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。 このカードのエクシーズ素材を全て取り除いて発動できる。 このカードを装備カード扱いとして自分フィールド上のモンスターエクシーズに装備する。 このカードの装備モンスターは相手プレイヤーに直接攻撃できる。 このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、 手札を1枚墓地へ送る事で、 相手ライフに500ポイントダメージを与える。 エクシーズモンスター エクシーズモンスター補助 ナンバーズ 炎属性 炎族 直接ダメージ 破壊耐性 装備 同名カード No.58 炎圧鬼バーナー・バイサー(OCG)
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おわりおわるははなのゆめ【登録タグ お かぴたろう 初音ミク 曲】 作詞:かぴたろう 作曲:かぴたろう 編曲:かぴたろう 唄:初音ミク 曲紹介 君が居ない世界なら―― エレクトロニカ コンピレーションアルバム「TERMINAL LOVE」参加曲。 歌詞 (動画より書き起こし) 終わってしまえばいいんだ 終わってしまえばいいんだ 終わってしまえばいいんだ 君が居ない居ない世界なら 終わってしまえばいつか 願った夢もどこか 消えてしまっていたって 普通のことさ 普通のことさ 空が遠く砕け散って 海が八つに裂けたって それが何だって 僕らならって 言った声だって 嘘に変わるんだ 愛を何度注いだって バカみたくあっけなく 枯れてしまった 水底の花だった 想いだった 終わってしまえばいいんだ 終わってしまえばいいんだ 終わってしまえばいいんだ 君が居ない居ないストーリーなら 終わってしまえば野暮な 批評家達もどこか 消えてしまって 至って 平穏な日々さ 平穏な日々さ 確かだって証拠なんて あるのかって聞かれたって 何も無くたって それが何だって 言った声だって 街へ沈むんだ 春は一瞬で過ぎ去って バカみたくあっけなく 枯れてしまった 水底の花だった 想いだった コメント 名前 コメント
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質問:コンサートが終わるのは何時頃でしょうか。地方からコンサートに行くため、終電時間が心配です。 回答: 一概には言えませんが、PIANO STORIES 2006 Asian X.T.C(2006年10月10日、東京芸術劇場大ホール)の経験談を紹介させて頂きたいと思います。開場は18 30、開演は19 00、途中に15分ほどの休憩を挟み、アンコールも終えた終演は21 30頃でした。任意ですが、終演後にはアンケートの記入があります。(このアンケートは後日、郵送等でも提出可能です)東京芸術劇場大ホールの構造上、お客さんがエレベーターに集中しますので会場から出るのに少し時間がかかりました。 2007/3/5(月) Asia Orchestra Tour Final Concert(サントリーホール) 開場:18 30 開演:19 00 終演 21 35頃 2009/8/15(土) 久石譲 Orchestra Concert 2009 Minima_Rhythm tour (ミューザ川崎シンフォニー) 開場:16 30 開演:17 00 終演 19 28 休憩20分 最終更新日:2010年01月10日